ニュース
米Everpure、社内のデータを整備し“AI-Ready”に変える「Everpure Data Intelligence」を発表
ピュア・ストレージ・ジャパンが説明会を開催
2026年6月19日 06:15
米Everpure(旧社名:Pure Storage)が年次イベント「Pure Accelerate 2026」に合わせて発表した内容について、6月18日、日本法人のピュア・ストレージ・ジャパン株式会社が、報道向けに説明会を開催した。
ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社 プリンシパル・テクノロジストの岩本知博氏は、「ユニバーサル・データ・インテリジェンス」「データプレーン」「コントロールプレーン」の3分野に分けて新発表を説明した。
岩本氏は背景として、現在はAI時代であることを挙げ、AIはデータがないと動かないこと、企業がAIを活用するにはデータが「AI-Ready(AI対応)」でなくてはならないことを説明した。また、過去のインフラではアプリケーションが中心でアプリケーションごとにデータを持っていたのに対し、データを統合して中心に置き、そのデータを各アプリケーションが使うのがAI時代の考え方だと語った。
社内の隠れたデータを見つけて理解する「Everpure Data Intelligence」
中でも、岩本氏が「今回一番力を入れている」という分野が「ユニバーサル・データ・インテリジェンス」だ。
具体的には「Everpure Data Intelligence」を発表した。5月に買収を完了した1touch社の技術を、Everpureのソリューションとして「エンタープライズ・データ・クラウド(EDC)」ビジョンに組み込んだものだ。岩本氏は、Everpure Data Intelligenceを「EDCの新しいレイヤー」と表現した。
Everpure Data Intelligenceは、社内で「データを見つけて理解する」ものだ。
社内のデータソースはすでにたくさん存在する。場所はクラウドからオンプレミスまで、種類も構造化データからPDFやテキストなどの非構造化データにまで、多岐にわたる。さらに、部署ごとのファイルサーバーや野良データベースなど、社内でさまざまなデータが散在していて、さらには会社として把握していないシャドーデータもある。
Everpure Data Intelligenceは、こうした企業内の隠れたデータを見つけて、データ分類や優先付け、コンテキスト化などによりガバナンスを守るのを自動化するソフトウェアだと岩本氏は説明した。
Everpure Data Intelligenceは、コンテナベースで動作する。調べる対象のシステムにエージェントなどをインストールする必要はなく、また人間が調べる必要もなく、ネットワーク上に流れているデータの動きを検知してデータを見える化する。データと場所だけではなく、例えば、あるデータベースからデータをコピーしたといったデータの流れも検知する。
特徴として、会社のあらゆるデータに接続する「広範な接続性」、16桁の数字が単なる数字かクレジットカード番号かといった意味をLLMで98.6%の精度で見分ける「高度なセマンティクス」、エージェントレスで見える化できる「シンプルな運用」、Everpureのストレージのテレメトリ情報などと組み合わせた「ストレージとの連携」を岩本氏は挙げた。
なお、データの重要性やガバナンスに関わる部分なので、企業のCDO(最高データ責任者)やCISO(最高情報セキュリティ責任者)といった層を対象としたソリューションだと岩本氏は説明した。
EverpureではEverpure Data Intelligenceを、AI-Readyなデータを作るためのソリューションの一環として位置づけている。社内に散在する生のデータからAI-Readyなデータを簡単に早く作るためのものだ。Everpure Data Intelligenceで見つけて理解したデータを、同じく今回一般提供開始が発表された「Everpure Data Stream」によってAI向けに最適化しベクトル化などの処理を加えて、AIで利用できるようにする。
なお、Everpure Data Intelligenceによる「ユニバーサル・データ・インテリジェンス」について、データソースとなるストレージやクラウドなどはEverpureに限らず、どこのものでもよいことも岩本氏は付け加えた。
データをAI-Readyに変換する「Everpure Data Stream」や、パフォーマンスベースの従量課金体系
「データプレーン」分野での新しい製品は、まずストレージ製品の「Purity Turbo搭載FlashArray//XL190」(1月提供開始)だ。FlashArray//XL190は、同社のフラグシップとなるハイエンドモデルで、Purity Turboは、I/Oのためにキャッシュをかなり大きくとったり、セカンダリコントローラーをI/Oの処理に積極的に参加させたりして、パフォーマンスに特化して動作させるモードである。
続いて、前述した、データをAI-Readyに変換する「Everpure Data Stream」だ。3月にベータ版が発表されて、今回一般提供が開始された。さまざまなデータソースからデータを取得するパイプラインを自動化し、データ取得からキュレーション、ベクトル化してAI-Readyなデータにする。
次は、料金体系の「Evergreen//One Overdrive」だ。Everpureがすでに用意している「Evergreen//One」は、Everpureのストレージをストレージ容量に応じた従量課金で使えるものだが、Evergreen//One Overdriveでは、パフォーマンスに応じた従量課金となる。これにより、例えば、ECサイトのセール時やデータ移行時など、一時的に高いパフォーマンスが必要となる用途に対応する。
コントロールプレーンのさまざまな新機能の発表
「コントロールプレーン」分野でもいくつもの新機能が発表されたが、その中から、岩本氏は興味深い機能をピックアップして紹介した。
「Fusion MCPサーバー」と「Pure1 MCPサーバー」は、AIエージェントにインフラを使わせるものだ。Pure1は、ログ分析や障害対応などを自動的に行うSaaSサービスで、今回はここにAIエージェントの口インターフェイスを設けた。Fusionはさまざまなストレージリソースを管理するコントロールプレーンの機能で、今回はここにもAIエージェントのインターフェイスを設けた。
「Pure1サイバー異常検知」は、環境全体のテレメトリ情報を監視し、個々のストレージアレイでは見逃してしまう可能性のある、マルウェアなどの不審な行動を検出する。
「Fusionリバランスおよびモビリティ」(プレビュー段階)は、特定のワークロードによってストレージアレイが容量などのリソース面で限界を迎えた時に、ワークロードをほかのストレージアレイに自動的に移動させるなどの対応策によって解決するものだ。アプリケーションから透過的に実行されるため、アプリケーションのダウンタイムを発生させないという。












