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New Relic、AIコーディングの実態と課題を明らかにした最新調査レポートを発表
AIコーディングを見える化する新機能「New Relic Preflight」もリリース
2026年8月3日 06:30
New Relic株式会社は7月30日、AIコーディングの実態と課題を明らかにした最新調査レポート「The 2026 State of AI Coding Report 日本語版」を発表した。あわせて、AIコーディング環境にも本番環境と同様の高品質なオブザーバビリティを提供する新機能「New Relic Preflight」を発表。同日に行われた記者発表会では、調査レポートのポイントについて解説するとともに、新機能の概要および同社プラットフォームの活用事例について紹介した。
AIコーディング普及の裏で「品質低下」と「コスト肥大化」が表面化
現在、ソフトウェア開発の現場ではAIコーディングの導入が急速に進んでいる。AIコーディングとは、AI(特に大規模言語モデル/LLM)を活用して、プログラミング(コードの記述・修正・設計など)を支援または自動化する手法や取り組みのことで、各社から「GitHub Copilot」、「Gemini」、「Claude Code」、「Codex」などのツールがリリースされている。
今回、New Relicでは、ソフトウェア開発に生成AIを取り入れている米国の中堅企業および大企業の技術リーダー200人(マネージャー職以上)を対象にアンケート調査を実施し、「The 2026 State of AI Coding Report」としてまとめた。
調査によると、「AIが生成したコードの割合が半数以上」と回答したリーダーは82%を占めた。また、「AIが生成したコードの本番環境への適用を許可している」との回答も95%に達し、AIコーディングが急速に普及していることが明らかになった。一方で、「本番環境への投入後に障害が増加した」と78%が回答。深刻な問題が発生する割合は1.7倍に上昇した。さらに、「AI生成コードの25%以上で大幅な手直しが必要」と74%が回答し、「上級エンジニアが手直しに費やす時間が増加した」との回答は86%を占めていた。
New Relic 技術統括 コンサルティング部 兼 プロダクト技術部 部長の齊藤恒太氏は、「この調査結果から、AIコーディングによる新たな課題として、『品質低下』と『コスト肥大化』の2つのリスクが浮かび上がってきた」と指摘する。
品質低下について齊藤氏は、「AIは仕様上正しいコードは書けるが、システムの稼働時のコンテキストが不足している。例えば、メインではないエッジケースでの導入、高負荷時の挙動、並列処理での競合など。コンテキストが不全で品質の低いAI生成コードがレビューされずに本番導入されると、実際にシステムが稼働した際にさまざまな障害を引き起こすリスクがある。調査では、『AI生成コードをレビューせずに本番適用する』と62%が回答しており、その原因としては『AIコードへの過信』や『レビュー負担の増加』が挙げられる」と解説した。
コスト肥大化の課題については、「エンジニアのガバナンス不足によって、適切でない高価なAIモデルが使われていると、コストが大幅に増加してしまう。また、同じ指示を繰り返すなど、非効率なAI利用もコストの浪費につながる。さらに、もう一つの理由として、開発速度の向上にともなう運用負荷の増大が挙げられる。例えば、本番稼働後のトラブル対応時間が増えることで『障害対応(火消し)工数』が増加するほか、AIが生成したブラックボックスの調査・解析の期間が長期化することもコスト肥大化につながる」としている。
そして、これらの課題を解決するソリューションとして、今回新たに発表したのが、AIコーディングのコストや効率性を見える化する機能「New Relic Preflight」だ。新機能は、AI支援開発に完全なオブザーバビリティをもたらすオープンソースのMCPサーバー。AIコーディングアシスタントに直接接続し、セッションメトリクス、コスト内訳、動作パターン、効率スコアなどの構造化されたテレメトリーを収集する。
「New Relic Preflight」の特長について齊藤氏は、「この新機能を活用することで、AIコーディングの無駄遣いを防いで生産性を最大化できる。具体的には、AIコーディングのトークン消費をリアルタイムに追跡し、コストを可視化することで予期せぬ高額請求を未然に防止する。また、進捗のない繰り返し指示、不必要なコンテキストの再読み込みなどのアンチパターンを自動検出し、無駄なトークン消費を防ぐ。さらにAI効率スコアにより、投入したコストに対して、どれだけ無駄なく正確に成果を出せたかを定量評価し、継続的な改善や利用スキルの向上を促すことができる」としている。
「New Relic Preflight」は、New Relicアカウント不要で、すべての機能をすぐに利用できる。ローカルモードでは、ダッシュボード、セッション履歴、週次サマリー、効率性コーチング、アラートなど、すべての機能がマシンに保存される。データを統合する準備ができたら、New Relicアカウントに簡単に接続することも可能。既存のAIコーディングアシスタントと並行してインストールされ、Claude Code Cursor、GitHub Copilot、Windsurf、Zed、Continue.dev、Amazon Qおよび一般的なMCP対応クライアントをサポートしている。
AI生成コードの品質向上と開発速度を両立するフィードバックループ
このほかに同社では、AIコーディング時代の課題を解決するソリューションとして、AIコーディングに稼働環境のコンテキストを提供する「Ground Truth(MCP Server)」、問題の原因分析や対処など障害対応を自律化する「Autopilot」「Workflow Automation」などの機能をラインアップしている。記者発表会では、同社オブザーバビリティプラットフォームの国内導入事例として、ADWAYS DEEEのケースを紹介した。
ADWAYS DEEEは、アドウェイズから分社化した広告テクノロジー企業で、膨大なトラフィック処理や安定稼働など、高い品質が求められる広告システムを確かな技術力で構築・提供している。同社では、AIコーディングエージェントを活用したシステム開発において、高い品質要件が求められる場合、非機能要件の劣化が重大な障害につながるため、AI生成コードを人間の目で確認することが必要となり、業務負荷となっていた。
「この課題に対して、New Relicのオブザーバビリティプラットフォームでは、検証環境でのフィードバックループにより、開発速度と高品質な実装を両立した。レガシーな既存仕様や満たすべき機能要件をプログラムとして記述し、AIが理解しやすい形式で学習を推進。また、人間は全体設計や重要な処理のレビューに集中し、軽微・定型的な箇所はAIが実施。検証環境でのシステムの振る舞いをもとに、MCPサーバーを活用し品質劣化を検知することで、AI生成コードの品質を担保している」と説明した。






