ニュース

Netskope、新機能「AI Command Center」と新アーキテクチャ「AgentSkope」をリリース

セキュリティ・ネットワークの革新に向けたAI戦略を発表

 Netskope Japan株式会社は6月3日、AI時代のセキュリティとネットワークに関する記者発表会をオンラインで開催した。発表会では、セキュリティ・ネットワーク運用の革新に向けた同社のAI戦略とともに、Netskope One AI Securityスイートの最新機能「AI Command Center」および、新たなエージェント型アーキテクチャ「Netskope One AgentSkope」(以下、AgentSkope)の概要について説明した。

 まず、Netskope Japan バイスプレジデント兼カントリーマネージャーの権田裕一氏が登壇し、同社の調査結果をもとに、AI時代におけるビジネス運営の課題について解説。「日本企業の生成AIユーザー数は前年比2倍に急増し、4人に1人が職場で個人アカウントを使用していた。しかし、生成AI関連の情報漏えい対策にDLPを導入している日本企業は、4社に1社にとどまっていた。また、自社のインフラではAIの新たな需要に対応できないと感じているI&Oリーダーは6割超を占めた。さらに、人材不足への対応策としてAIセキュリティ機能を導入している日本企業はわずか24%のみだった」と指摘した。

Netskope Japan バイスプレジデント兼カントリーマネージャーの権田裕一氏

 「このようなAIに関わるさまざまなビジネス課題を抱える中で、企業を狙う脅威は拡大し続けているのが実情である。そのため、サイバーセキュリティの重要性がさらに高まっており、企業における最重要投資優先事項に変わってきている。こうした状況を踏まえ、当社では、セキュリティ・ネットワーク運用の革新に向けて、『AIネイティブプラットフォーム』、『AIの活用とセキュリティ確保』、『NewEdge AIインフラ』、『AIエージェント』の4つの重点分野にフォーカスしたAI戦略を展開している」と、同社が推進するAI戦略の全体像を明らかにした。

Netskope JapanのAI戦略における4つの重点分野

 1つ目の重点分野「AIネイティブプラットフォーム」について、Netskope共同創業者 兼 最高技術責任者(CTO)のクリシュナ・ナラヤナスワミ氏は、「当社はAIネイティブのセキュリティ&ネットワーク統合プラットフォームとして『Netskope One』を展開している。同プラットフォームでは、生成AIがまだ普及していない9年前からNetskope AI Labsを設置し、リアルタイムSSE/SASEアプリケーションに特化した信頼性の高いAI/MLモデルを開発してきた。現在、独自開発のAI/MLモデルは190以上に達しており、データ保護や脅威対策、SD-WAN最適化などさまざまな用途でAIが活用されている。また、Netskope Oneゼロトラストエンジンによって、ユーザーとエージェントの活動に対して、きめ細やかなセキュリティ制御ができる点も大きな差別化ポイントになっている」と説明した。

Netskope共同創業者 兼 最高技術責任者(CTO)のクリシュナ・ナラヤナスワミ氏

 2つ目の重点分野「AIの活用とセキュリティ確保」では、AIライフサイクル全体を保護するNetskope One AI Securityスイートの最新機能「AI Command Center」をローンチしたことを発表した。「AI Command Center」は、包括的なAI検出から、統合リスク分析、そして自律的なエージェント型対応までを単一の統合プラットフォームで実現。「どのAIが稼働しているか」「実際に対処すべきリスクはどれか」「脅威のスピードに合わせてどう対応するか」といった、セキュリティチームが現在直面している重要な課題に応えるべく、すべてのAIの状況を理解し、リスクを発見・修正する。

 具体的には、企業利用か個人利用か、管理下かシャドーITか、クラウドかオンプレミスかを問わず、あらゆるAI資産を検出し、それらが接続するID、データストア、ツールとの関係をマッピングすることでリスクを低減する。マッピングが完了すると、Netskopeが保有するデータの機密性、ユーザーのリスクプロファイル、アプリケーションの信頼性といった既存の知見と相関分析し、リスクインサイトを提示する。これにより、隠れた攻撃経路やリスクの露出を明らかにし、ポリシーの作成・調整、修正ワークフロー、調査といった次のステップを、同一のインターフェイス上で推奨する。 また、今回のリリースでは新たに「エンドポイントAI検出」と「サーバーAI検出」の2つの検出機能も導入している。

 この他に「AIの活用とセキュリティ確保」分野の取り組みとして、不正アクセス・破損・盗難からデジタル情報を保護する「Netskope One 統合データセキュリティ」についても紹介。同ソリューションでは、移動中・利用中・保存中、シャドー、個人、企業などあらゆる状況にあるデータをカバーし、「データ保護」、「脅威対策」、「コンテンツモデレーション」の3つを常に実行する。

「Netskope One 統合データセキュリティ」の概要

 3つ目の重点分野「NewEdge AIインフラ」については、Netskope Japan シニアソリューションエンジニアマネージャーの小林宏光氏が説明。「当社のプライベートクラウド『NewEdge』は、世界220以上の国・地域でSSE/SASEサービスをカバーしており、すべてのデータセンターでフルコンピュートを提供している。AI戦略における取り組みとしては、AIアプリケーション向けの通信を最適化する『NewEdge AI Fast Path』をリリースした」という。「『NewEdge AI Fast Path』は、広範なピアリングによる最低レイテンシーとインテリジェントルーティングによって、負荷の高いAIアプリケーションでも優れたパフォーマンスと効率を実現する。実際に、日本の『NewEdge』のグローバルデータセンターから、主要AIアプリ・クラウドサービスへのアクセスにおいて一桁ミリ秒のレイテンシーを達成している。これによって、トラフィックと機密データのセキュリティを確保しながら、企業のAI導入を加速していく」との考えを述べた。

Netskope Japan シニアソリューションエンジニアマネージャーの小林宏光氏

 そして、4つ目の重点分野「AIエージェント」では、組織がAIエージェントを容易に導入・展開し、エンドツーエンドのワークフローを自動実行できる新アーキテクチャ「AgentSkope」を発表した。「AgentSkope」は、時間のかかる作業を自律的に処理するAIエージェントライブラリによって、セキュリティおよびネットワーク運用チームの負担を軽減する。初回リリースでは、「DLP AISecOps Agent」、「Insider Threat AISecOps Agent」、「Private Access AIOps Agent」、「DEM Data Intelligence Agent」、「DEM Insights Agent」、「CCI Insights Agent」の6つのAIエージェントを提供する。

「AgentSkope」で提供する6つのAIエージェント

 「DLP AISecOps Agent」は、エージェント型DLP分析を実現するソリューション。セキュリティ運用アナリストの行動を模倣して、エンドツーエンドのデータ保護ワークフローを実行し、コンテキストに基づくリスク評価(大量のデータの中から重要なリスクを特定)、インテリジェントなトリアージと調査、自律的なリスク修正を実施する。

 「Insider Threat AISecOps Agent」は、内部脅威のトリアージと分析に重点を置き、DLPアラートとユーザー行動データを組み合わせることで、悪意あるアクティビティを特定し、組織を内部脅威から保護する。

 「Private Access AIOps Agent」は、Netskope One Private Accessの設定を自動的に監査し、使用されていない設定を削除し、アクセス権限が不必要に残置されることを防止する。ユーザーの利用パターンに基づいて、詳細なアプリケーションセグメントとポリシーを生成する。

 「DEM Data Intelligence Agent」は、デジタルエクスペリエンス管理(DEM)が収集する詳細なテレメトリデータや未加工のメトリクスを、自然言語による対話型インターフェイスを通じて実用的なインサイトへと変換する。直感的な操作でユーザーエクスペリエンスの問題を迅速に把握・解決できるため、トラブルシューティング業務を大幅に効率化する。

 「DEM Insights Agent」は、組織のIT環境の健全性を俯瞰的に把握し、詳細なテレメトリデータを関連付けることで、重大なインシデント、組織全体に影響をおよぼすトレンド、パフォーマンスのボトルネックを明らかにする。

 「CCI Insights Agent」は、8万5000を超えるクラウド、AI、SaaSアプリケーションにわたる複雑なリスク属性やコンプライアンス認証について、SOCアナリストが自然言語でクエリを実行できるよう支援し、アプリケーションリスクデータを対話形式で利用することが可能となる。

 なお同社では、「AgentSkope」のAIエージェントについて、今後数カ月間でさらなる追加を予定しているとのことだ。