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キヤノンMJの2026年度上期連結決算、営業利益18.9%増で過去最高を記録 通期予想も上方修正

 キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)は24日、2026年度上期(2026年1~6月)の連結業績を発表した。それによると、売上高は前年同期比1.8%増の3397億円、営業利益は同18.9%増の324億円、経常利益は同18.4%増の332億円、当期純利益は同19.9%増の226億円となった。

業績サマリー 第2四半期累計(1月~6月)

 また、第2四半期(2026年4~6月)の売上高は前年同期比1%増の1681億円、営業利益は同1%減の140億円、経常利益は同1%減の146億円、当期純利益は同2%減の98億円となった。

業績サマリー 第2四半期(4月~6月)

 キヤノンMJ 取締役 常務執行役員の蛭川初巳氏は、「第2四半期は増収減益となったが、社内計画に対しては予定通りの進捗。Windows 10のサポート終了に伴うPCの入れ替え需要の反動減があったものの、SIやソリューションは前年同期比で10%増、サービスおよびアウトソーシングは同8%増となり、ITソリューション全体の売上高は3%増となった。成長を継続している。だが、粗利率が低下しており、プロフェッショナルセグメントでは、利益率の高い産業機器の構成比が減少したこと、エンタープライズセグメントにおいては、流通業向けSIで不採算案件があり、1桁億円の後半を引き当てたことが影響している。これがなければ利益面でも好調な業績だった」と総括した。

 また、「2026年度上期では、営業利益、経常利益、純利益は過去最高を更新した。売上高は、キヤノン製品ほかが前年同期並だったが、ITソリューションは堅調に推移している」とも述べた。

キヤノンMJ 取締役常務執行役員の蛭川初巳氏

 流通業向けの不採算案件については、これまでキヤノンMJが取り組んでこなかった新たな領域のもので、2024年度にも引き当てを行っている。「お客さまと仕様を決める段階での齟齬が原因である。これを何度か繰り返している。2027年年末のカットオーバーを予定しており、現場からは、今回の引き当てで、仕様の確認は終わったと報告を受けているが、追加の費用が発生するリスクはゼロではない」と述べた。

 2026年度上期におけるグループITソリューションの売上高は、前年同期比3%増の1793億円となった。そのうち、SI・ソリューションの売上高が前年同期比8%増の550億円、サービス・アウトソーシングの売上高が同7%増の525億円、ITプロダクト・システム構築の売上高が同2%減の718億円となった。また、グループITソリューションのセグメント別の売上高は、エンタープライズは前年同期比2%増の1069億円、エリアが前年同期並の411億円、コンスーマが同1%減の200億円、プロフェッショナルが同14%増の140億円となった。

 「顧客のIT投資が控えられていることはない。人不足やコスト上昇を背景に、生産性を高めるためにITを活用する動きが進んでいる。エンタープライズも、中堅・中小企業も同様の動きが見られている」と語った。

セグメント別の業績

業績 セグメント概要第2四半期累計(1月~6月)

 2026年度上期のセグメント別業績では、「エンタープライズ」の売上高が前年同期比2.5%増の1369億円、セグメント利益が同18.7%増の115億円。オフィスにおけるペーパーレス化の影響で市場は縮小しているものの、オフィスMFPおよびレーザープリンターでの大型案件があり、販売台数が増加。ITソリューションでは、Windows 10の延長サポート終了に伴うビジネスPCの入れ替え需要の反動減があったものの、製造業向けのSI案件が順調に推移したことにより、売上高は増加した。

 同セグメントに含まれるキヤノンITソリューションズは、売上高は前年同期比2%増の799億円、営業利益は2%増の80億円となった。2025年7月に、TCSを買収したこともプラスに貢献している。なお、キヤノンITソリューションズの第2四半期の受注高は、データセンター案件や金融業向けSI案件が好調であり、四半期としては過去最高を更新した。

 また、BPOサービスのプリマジェストは、2026年度上期には増収になったという。「グループ入り前から見込んでいたシナジーが発現し、第2四半期には金融業において複数の新規案件を受注している」という。

業績 セグメント情報 エンタープライズ

 「エリア」の売上高は、前年同期比0.6%減の1187億円、セグメント利益が同14.3%増の129億円。レーザープリンターは、流通チャネル向けの出荷が進み、台数が増加。オフィスMFPは、使用期間が長期化している顧客での機器の入れ替えや、業務効率向上に向けた提案活動を積極的に進めた成果が出ている。ITソリューションは、ランサムウェア対策ソフトなどのセキュリティが好調に推移。中小企業のサステナブル経営やDX推進をトータルで支援する「まかせてIT」の契約件数が増加したという。また、クラウド録画サービス「VisualStageシリーズ」が好調に推移したという。

 なお、連結子会社のキヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)の売上高は前年同期比1%増の572億円、営業利益は同15%増の55億円となった。「ビジネスPC需要の反動減があるが、『まかせてIT』の伸長や、セキュリティソフトの『ESET』が好調。サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度への対応に関連した案件も増加している。成長に向けた取り組みが着実に進展している」と語った。

業績 セグメント情報 エリア

 「コンスーマ」は、売上高が前年同期比3.7%増の681億円、セグメント利益が同33.6%増の66億円。レンズ交換式カメラは、2025年11月に発売した「EOS R6 MarkⅢ」や、2026年6月に発売した「EOS R6 V」が増加したが、前年同期に「EOS R5 MarkⅡ」や「EOS R1」などの高単価なミラーレスカメラが増加していたことに加えて、2025年5月に発売した「EOS R50 V」の発売があった反動などにより、売上高が減少した。

 インクジェットプリンターは、市場縮小により売上高が減少した。だが、インクカートリッジは、中東情勢の緊迫化に伴い、原材料の価格高騰と供給不安への懸念による駆け込み需要があったことで売り上げが増加したという。ITプロダクトも、メモリの価格高騰への懸念から、ポータブルSSDやメモリーカードの駆け込み需要があり、販売が好調に推移。だが、前年同期のWindows10の延長サポート終了に伴う需要の反動により、売上高は微減となった。

業績 セグメント情報 コンスーマ

 「プロフェッショナル」の売上高は前年同期比5.1%減の247億円、セグメント利益は同5.9%減の27億円となった。そのうち、病院や診療所、調剤薬局・健診施設などを対象にした医療情報システムの構築、導入、サポートなどを提供しているヘルスケア事業では、複数の病院向け大型案件があったことにより、売り上げは大幅に増加したという。

業績 セグメント情報 プロフェッショナル

2026年の通期業績見通しを上方修正、過去最高益の更新を目指す

 一方、2026年度(2026年1月~12月)の業績見通しを修正した。売上高は前年比0.8%増の6850億円と据え置いたものの、営業利益は30億円増加の前年比8.3%増の630億円に、経常利益が33億円増加の同1.4%増の640億円に、当期純利益は20億円増加の同6.1%増の440億円にそれぞれ上方修正した。6年連続の増収増益に向けて目標数値を引き上げた格好だ。過去最高益の更新を目指す。

業績予想サマリー

 「第1四半期が好調に推移したことで、上期では計画を上回った。また、すべてのセグメントで高付加価値製品やサービスの構成比が高まっていること、IT費用や広告宣伝費などの本社関連費用が抑えられたことで、利益を上方修正した。第1四半期時点では、好調ではあったものの、中東情勢やメモリ価格の高騰などのリスクが見えなかったことなどが理由で、上方修正をしなかった。今回は第1四半期に上回った利益分を、通期の上方修正に充てている」と説明。

 だが、「下期は、Windows 10のサポート終了に伴うPC特需の反動減が上期以上に想定される。また、メモリの供給逼迫や価格高騰の影響に加え、中東情勢を背景とした資源価格の高騰によるコストや仕入価格の上昇、これらに伴う顧客の投資抑制が見込まれる。さらに、グループ内では、新たなビジネス創出に向けた研究費や開発費などの事業投資の増加、ビジネスプロセス改革のためのIT投資や設備投資などの将来の成長に向けた投資費用の増加を見込んでいる。そのため、下期は減収減益の計画となる」とした。

 研究開発投資は年間20億円超を想定している。

 2026年度通期のセグメント別業績見通しは、「エンタープライズ」の売上高が前年比4%増の2754億円、営業利益が3億円増額の前年比8%増の227億円。「エリア」の売上高が同2%減の2355億円、営業利益は17億円増額の同8%増の240億円。「コンスーマ」の売上高が同2%減の1426億円、営業利益は7億円増額の同5%増の137億円。「プロフェッショナル」の売上高は前年並の490億円、営業利益は3億円増額の同4%減の53億円とした。

業績予想 セグメント概要 前回予想比較

 「労働人口の減少が課題となるなか、ITを活用した生産性向上に対するニーズや、サイバーとフィジカルの両面において、セキュリティニーズの高まりが見られている。こうしたニーズに対して、積極的な提案を行うことで、ITソリューション事業の収益性向上を伴った売上拡大と、キヤノン製品事業の収益力向上に取り組み、通期での6年連続の増収増益、過去最高益の更新を目指す」とした。

 なお、キヤノン製品については、キヤノン側で販売見込みに対する数量は確保できているほか、パソコンについては、標準品を設定することにより、これらの製品に関しては、年間調達にはめどがついたと強調する。一方で、コスト上昇の影響があることに言及。7月24日に一部製品や消耗品、クラウドサービス、搬入設置・保守サービス、スポット修理サービスの価格を改定したことにも触れた。

 価格改定は、2026年9月1日から実施。対象となるのは、プロダクションプリンター本体・オプションで175商品、オフィスMFP本体・オプションで120商品、レーザープリンター本体・オプション・消耗品で263商品、大判プリンター/大判MFP(インクジェット)本体・オプション・消耗品で417商品、インクジェットプリンター本体・オプション・消耗品で279商品、ラベルプリンター用紙/カードプリンター消耗品で32商品となっている。