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DUNLOPと富士通、タイヤ性能予測の「AIサロゲートモデル」を共同開発 解析時間を90%削減し設計DXを加速
2026年6月4日 13:14
DUNLOP(社名:住友ゴム工業株式会社)と富士通株式会社は3日、DUNLOPが長期経営戦略に掲げた“設計のDX”に向け、タイヤの性能をAIで高精度かつ短時間で予測するAIサロゲートモデルを共同開発し、実証実験において成果を確認したと発表した。
製品や構造物の挙動をシミュレーションし、性能や安全性を評価するCAE(Computer Aided Engineering)解析は、製品の高性能化・複雑化に伴い、多大な解析時間を費やしているのが現状だ。
タイヤの設計においても、CAE解析手法の1つであるFEM(有限要素法)解析が用いられており、メッシュを細かくして要素数を増やすと解析の精度が向上するものの、同時に計算時間やそれに伴う開発コストが増加するため、精度と計算負荷のバランスを取ることが求められているという。加えて、解析には専門知識が必要となるため、熟練した技術者の確保という課題も抱えているとのこと。
そこで両社では、これらの課題を解決するため、過去から蓄積されてきたFEM解析結果を学習データとして、FEMの基礎方程式の解を高速に予測するAIサロゲートモデルを開発し、タイヤの構造解析に関する実証実験を行った。
実証実験では、タイヤの路面接地時における接地形状や接地圧分布など、変形挙動や接地特性の評価を対象としたが、その結果、解析時間を従来の約45分から約5分へと大幅に短縮(約90%削減)するとともに、FEM解析と比較して、タイヤと路面の接地形状を平均87.7%の高い精度で予測できた。
富士通では、この技術により、従来は複数の設計プロセスを経て決められていたタイヤの構造や材料の仕様を、より少ないプロセスで短時間に決定できるようになるため、意思決定が迅速化され、性能向上に加えてコストの最適化も期待できるとしている。
なお、両社は、実証実験の成果を基にタイヤ設計の開発支援ツールの開発を進め、DUNLOPにおいて2027年4月の実用開始を目指す。これにより、DUNLOPは、データドリブンな開発を加速し、より安全性が高く環境性能に優れた高品質なタイヤを迅速に市場供給することを目指すとしている。
なお、この技術は、富士通が開発する高性能かつ省電力性を追求したArmベースの次世代CPU「FUJITSU-MONAKA」での動作を前提に設計している。今後、両社はこの技術をベースに「FUJITSU-MONAKA」検証機での実証を2026年12月までに開始し、さらなる推論速度・精度および電力効率の最適化を目指す考えだ。

