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KDDI、クラウドサービス「KCPS」のリニューアルを発表、閉域接続機能などを強化
2025年12月22日 06:00
KDDI株式会社は19日、クラウドサービス「KDDI クラウドプラットフォームサービス(以下、KCPS)」のリニューアルを発表した。
リニューアルしたKCPSでは、「マルチクラウドゲートウェイ」との連携により、閉域ネットワーク接続機能を強化した。操作コンソールからオンデマンドで接続の追加・削除や帯域変更が可能となり、ネットワーク運用の柔軟性と効率性が向上する。接続回線も従来の1Gbpsベストエフォート型から、最大10Gbpsの帯域確保型へと提供方式を拡充し、より安定した通信品質を実現する。
仮想サーバーメニューの強化では、従来のKCPSでは提供していなかった高スペック仮想サーバーメニュー(最大32vCPU・512GB RAM)を新たにラインアップに追加した。これにより、より高負荷な業務システムや大規模データ処理ニーズにも柔軟に対応可能になる。
また、顧客の多様なニーズに対応するため、用途に応じて3種類のサーバータイプを用意した。システム要件に応じて柔軟に組み合わせることで、最適なクラウド環境の構築が可能となる。
オプションサービスでは、システム構築・運用における負荷軽減に貢献する各種PaaS機能を新たに提供する。さらに、IaaS機能を強化し、現行KCPSのメリットを継承しつつ、より高い付加価値を実現する。
機能拡充では、フラッシュドライブ採用によるストレージ性能の大幅向上や、リージョン・ゾーンをオンデマンドで選択できる機能、直感的で操作しやすい管理コンソールを提供する。新機能では、PaaS機能としてDB機能、DNS/GLB(広域負荷分散)、ESS(メール配信)、タイマー機能、また、オートスケール機能などを追加する。
KDDIは、AI時代における日本の産業競争力強化に貢献するため、2026年4月から「大阪堺データセンター」のNVIDIA GB200 NVL72を活用したクラウドサービス「KDDI GPU Cloud」の申し込み受け付けを開始する予定している。リニューアルしたKCPSは、KDDIの安定かつ安全な閉域ネットワークを通じて「KDDI GPU Cloud」と連携可能となり、AI処理に必要なデータの前処理や保管など、より高度なデータ活用を実現していくとしている。
また、KDDIは、AI活用の拡大に伴いサイバー攻撃のリスクも増大しており、重大な事故や事業継続への影響を防ぐため、データの管理や保管場所の選択がこれまで以上に重要となっていると指摘している。こうした背景から、国内で完結してデータを活用できる安全な環境を求める声が高まっており、KDDIはこれからも国産クラウドであるKCPSの提供を続けていくとしている。
