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Qlik、新たなエージェント体験とMCPによるアシスタント連携を発表

 米Qlik Technologies(以下、Qlik)は現地時間3日、データ統合・分析サービス「Qlik Cloud」上で提供される、新しいエージェント体験のプライベートプレビューを発表した。
この体験は、統合型会話インターフェイスの「Qlik Answers」を通じて、構造化データ分析、非構造化文書、大規模言語モデルの推論能力を、ガバナンスの効いた統合体験として提供される。

 プライベートプレビューでは、コミュニケーションとタスクの実行を担う専門エージェント、引用情報の明示による高い透明性と信頼性、Qlikの分析エンジンによる高速かつ説明可能な分析計算によって、意思決定者は関連性が高く、より充実した回答を得られ、最適な行動と成果につなげられる。さらにこの体験は、AI推論とエンジンによる分析を組み合わせ、信頼性の高いデータ製品を活用することで、複雑で段階的な質問にも対応できるよう設計されているという。

 エージェント同士が連携して、Qlikの適切な機能を活用することで、ユーザーは迅速かつ的確で充実した回答を得られる。データと文書の両方にまたがるリクエストの場合、Qlik AnswersはQlikエンジンによる分析結果と、文書や独自の知識に基づくコンテキストを組み合わせ、洞察に富んだ文章と視覚的な回答を提供する。

 回答に使用した文書の出典表記、分析的洞察に関する推論と論理の説明、管理された計算により、最高水準の信頼性と確実性を提供する。Qlik Cloudの常時表示サイドパネルは、ユーザーの作業状況や取り組み内容を把握し、作業の流れを途切れさせずに適切なサポートを提供する。

 Qlikはまた、Model Context Protocol(MCP)サーバーを2026年の早い時期に一般提供する計画を発表した。MCPは、顧客やパートナーがサードパーティ製のアシスタント経由でQlikの機能にアクセスできるようにし、エンジン、ツール、エージェントの各レベルでQlikへのアクセスを提供する。これにより、アシスタントはQlikの分析エンジンから洞察を生成し、Qlikがホストする環境で、ガバナンスと人による監視が適用された信頼性の高いデータ製品を利用できる。

 Qlikでは、Qlik Cloudの新しいエージェント体験はQlik Answersを通じて提供され、引用情報や管理機能とともに、分析結果と検証済みの知識にアクセスできる、単一の統制された会話環境をチームに提供すると説明。自然言語での質問に対しては、グラフや解説を明確な次のステップとともにクラウド上で提示することで、クラウド内での引き継ぎやコピー作業を削減し、データに裏付けられた意思決定を実現するとしている。

 また、この取り組みは、AI支援によるパイプライン設計や品質・系統のチェックから、データ取得から意思決定、実行までをつなぐRAGパイプラインに至るまで、Qlikのポートフォリオ全体で展開されるエージェンティックアプローチを反映していると説明。これらのイノベーションにより、企業は信頼性の高いインテリジェンスを大規模に導入できるとしている。

 新たなQlikエージェント機能は、Qlik Cloudキャパシティモデルを利用する顧客向けに、オプトイン方式によるプライベートプレビューとして既に提供している。一般提供は2026年の早い時期を目標としており、基盤となるサービスの準備状況に合わせて段階的かつ地域別の展開を予定する。