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キヤノンITS、異常監視システム「ANOMALY WATCHER」に自然言語でルールを設定できる新機能を追加

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は12日、製造現場やプラント設備などにおける異常監視の省力化を実現する異常監視システム「ANOMALY WATCHER」について、視覚言語モデル(VLM:Vision-Language Model)との連携による異常検知機能の提供を開始した。

 VLMは、画像/動画/テキストを同時に理解/生成/結びつけられるAIモデル。ANOMALY WATCHERのカスタム検知機能を使ってVLMと連携することで、画像の内容を言語的に解釈しながら異常を検知できるようになる。

 VLMは大量の画像データによるAIモデルの学習を必要とせず、プロンプト(自然言語)による条件設定ができる。例えば、「人が倒れている状態を検知対象とする」といった自然言語で異常状態のルール設定が可能となるため、従来よりも柔軟に検知ルールの構築/管理ができる。

入力プロンプトと異常検知イメージ

 オンプレミス環境での運用が可能で、VLMサーバーをオンプレミス環境に構築することで、セキュリティと柔軟性の両立が図れる。社内ネットワークで運用できるため、機密性の高いデータを外部に出すことなく、クラウド接続が制限されることの多い製造業やプラント、研究施設などでも利用できる。

 従来の画像比較やAIモデル連携に加え、VLMを組み合わせることで、定量的な差分検知と定性的な判断の両立が可能になる。異常検知の網羅性や再現性の向上、誤検知や見逃しのリスクの低減といった効果が見込める。

 ANOMALY WATCHERの価格(税別)は、永続ライセンスが80万円、最大60日間試用可能なモニターライセンスが15万円から。