キヤノンITS、ネットワークカメラを用いた異常監視システム「ANOMALY WATCHER」

　キヤノンITソリューションズ株式会社（以下、キヤノンITS）は30日、製造現場や倉庫などでの設備異常監視コスト低減と精度向上を実現する「ANOMALY WATCHER」を、11月1日より販売開始すると発表した。また同時に、設置環境や発生する事象に応じた試行に対応する「モニターライセンス」も、あわせて開始を開始する。

　ANOMALY WATCHERは、ネットワークカメラを活用し、リアルタイム映像と正常時との差分を画像処理によって検出して、即時アラートを上げる異常監視システム。正常状態として登録した基準フレームと、リアルタイム映像フレームとの特徴量の類似度を算出し、類似度のしきい値設定に基づいて異常検知アラートを発報する。

　機械学習型のAI画像処理を応用したシステムと異なり、事前に異常映像を収集して学習させる手間は不要。色味の変化や輪郭の変化など、複数のパラメータの検知感度を設定するだけで、すぐに自動監視を始められるという。

異常検知の概念図

画像処理イメージ図

　さらに、監視カメラの映像は、1万3000種類以上のデバイスをサポートするMilestone社製ビデオ管理ソフトウェア「Milestone XProtect」が受信し、異常検知処理を実施するとともに録画管理も行うため、通常の監視カメラシステムとしても利用できるとした。

　価格は、ANOMALY WATCHERの永続ライセンスが70万円（税別）。別途、カメラ/PC等のハードウェア費用およびXProtectライセンス費用が必要となる。

　なお今後は、キヤノンITSのAI検査プラットフォーム「Visual Insight Station」との連携によるインテリジェント検知や、サーバーレス構成の追加などを計画しているとのこと。

　また、監視用のカメラ/PCを含む必要機材一式を貸し出し、設置を検討する現場で試行できるモニターライセンスが提供される。価格は個別見積もりだが、参考として7万6000円（税別）から。