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Red Hat、NVIDIA BlueField DPU上でのRed Hat OpenShiftサポートを発表

 米Red Hatは現地時間10月28日、Red Hat OpenShiftが、NVIDIA BlueFieldデータ処理ユニット(DPU)をサポートすると発表した。これにより、企業は最適化されたセキュリティ、ネットワーク、ストレージ機能を備えた要求の厳しいAIアプリケーションワークロードをより簡単にデプロイできるようになるとしている。

 Red Hatでは、AIアプリケーションのリソースを確保する際に、基盤となるインフラストラクチャサービスと競合してしまうことがよくあり、これがパフォーマンスのボトルネックやセキュリティリスクにつながる可能性があると説明する。この課題に対処するため、Red Hat OpenShift on NVIDIA BlueFieldは、ネットワークの強化やプロビジョニングの合理化、ライフサイクル管理をサポートする共通のクラウドネイティブプラットフォームを提供する。

 このアプローチにより、BlueField上で動作するAIアプリケーションと、ネットワークやセキュリティサービスなどのインフラストラクチャワークロードを分離することで、リソース使用の最適化やデータプレーンとストレージトラフィックの高速化、高度なクラウドネットワーキング、セキュリティ態勢の強化といったメリットが得られるとしている。

 リソース使用の最適化では、Red Hat OpenShiftはインテリジェントなリソース管理により、ネットワークサービスをCPUからDPUにオフロードする。これにより、AIアプリケーションのワークロードに割り当てるリソースが解放されるため、リソースの活用が最適化される。

 データプレーンとストレージトラフィックの高速化では、Red Hat OpenShift on BlueFieldは、暗号処理やストレージ処理をDPUにオフロードすることで、データプレーンおよびストレージトラフィックを高速化する。また、NVMe over Fabrics(NVMe-oF)や高速化されたOVSデータパスに対応し、要求の厳しいAIワークロードのパフォーマンスを向上させる。

 高度なクラウドネットワーキングでは、BlueFieldによる分散ルーティング機能を備えたRed Hat OpenShiftが、クラスター全体でのセキュアなマルチテナント環境、ネットワークスケーラビリティ、パフォーマンス、トラフィック効率を向上させると同時に、ネットワーク運用を効率化する。

 セキュリティ態勢の強化では、Red Hat OpenShiftは、インフラストラクチャタスクをBlueFieldにオフロードし、多層防御によるセキュリティ対策でアプリケーションの攻撃対象領域を狭める。

 Red Hat OpenShiftにおけるNVIDIA BlueFieldのサポートは、今後数週間以内にテクニカルプレビューとして提供開始予定。Red Hatは、NVIDIAと引き続き連携し、NVIDIA DOCAソフトウェアフレームワークおよびサードパーティ製ネットワーク機能の追加サポートを、Red Hat OpenShiftに統合していくとしている。

 今後の展望として、NVIDIA BlueField-4は次世代アクセラレーション、より緊密なDOCA統合、そして強化されたパフォーマンスによってこれらの機能をさらに拡張し、次世代のクラウドネイティブAIファクトリーを強化していくと説明。また、Red HatはNVIDIAと協力して、Spectrum-Xイーサネットのサポートも進めており、分散型クラウド環境全体にわたるAIワークロード向けに、シームレスかつ高性能な接続性を提供するとしている。