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デル・テクノロジーズ、ITインフラの簡素化を実現する「Dell Automation Platform」を提供

 米Dell Technologies(以下、デル・テクノロジーズ)は現地時間8月25日、ITの簡素化を実現する「Dell Automation Platform」を提供開始したと発表した。Dell Automation Platformは、デル・テクノロジーズのインフラストラクチャーと自動化技術を融合することで、ITの運用を簡素化する単一のソフトウェアオーケストレーションプラットフォームを提供する。

 Dell Automation Platformは、「Dell Private Cloud」や「Dell NativeEdge」など、AI、プライベートクラウド、エッジ環境のすべてにわたってソリューションの展開、管理、オーケストレーションを一元化し、直感的な体験を提供する。

 Dell Automation Platformは、セキュアなゼロタッチのオンボード、インベントリの一元管理、Dell AIOps、スタック全体の自動化といったコア機能を統合することで、ワークフローの効率を高めながら、イノベーション実現までの期間を短縮する。Dell Automation Platformは、オンプレミス環境だけでなくSaaSとしてクラウド環境で利用することも可能で、デル・テクノロジーズのエキスパートが検証した導入効果、ソリューション、提案などの厳選したカタログを提供するとともに、グローバルサプライチェーンによって一貫した展開とシームレスなアップデートプロセスを実現する。

 これらの機能は、完全なライフサイクル管理やネイティブITSM統合、また「Dell PowerStore OS」の自動アップデート体験といったマルチシステムストレージ管理機能を含め、設計・開発から運用段階にわたり拡張される。

 Dell Private Cloudは、ベンダーロックインを回避しながら、プライベートクラウドの展開・管理を実現する。2025年初めにVMwareのサポートを開始したが、今回Red Hatにもサポートを拡大した。また、Nutanixのサポートも予定する。

 Dell Private Cloudは分離型インフラストラクチャーを基盤に構築されており、自動ライフサイクル管理による簡素化された環境を確立しながら、コンピューティングリソースとストレージを個別にスケールアップできる柔軟性を提供する。このアプローチにより、変化するニーズに適応しながらリソースの活用度を高め、オーバープロビジョニングを減らし、コストを削減できるとしている。

 「Dell Automation Platform」カタログでは、主要なソフトウェアパートナー向けの検証済みのブループリントへ簡単にアクセスできる。これによって、手作業のプロセスと比較して90%少ない手順でプライベートクラウドスタックのプロビジョニングを実行でき、一切の手作業なしにわずか2時間半でワークロードに対応したクラスターを展開できるとしている。

 顧客は、現在使用中のクラウドOSライセンスを自由に利用できるとともに、vCenterやOpenShift Consoleなどの使い慣れたツールを活用することで、追加のトレーニングを行うことなく運用環境の継続性と効率性を維持できる。

 Dell NativeEdgeは、分離型データセンターの運用を一元化するため、多様なインフラストラクチャーとアプリケーションの展開、オーケストレーション、ライフサイクル管理を安全に行うフルスタックソリューションを提供する。

 分離型データセンターに合わせてカスタマイズされた数々の機能を提供すると同時に、高可用性やワークロードバランシング、VMスナップショット、バックアップ、移行など、本番環境レベルの仮想化において、従来のHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャー)アプライアンスに求められるすべての機能を提供する。

 Dell NativeEdgeでは、既存のVMware環境であっても、アプリケーションを展開するとともに、VMクラスターを監視し、ワークロードの管理が可能になる。これによって、顧客の最適な期間と予算で、VMwareからNativeEdgeへのシンプルな移行パスを確立できる。アプリケーションの完全なライフサイクル管理やSaaSベースの管理、ゼロタッチ展開、イミュータブルOS、またデル・テクノロジーズのレガシーインフラストラクチャーとサードパーティーインフラストラクチャーの両方を利用できるオプションを含む柔軟なアーキテクチャーオプションを備え、分離型データセンターのモダナイズとエンパワーメントに必要な柔軟性、セキュリティ、コスト効率を実現する。

Dell NativeEdgeは、より包括的なDell Automation Platformに統合されたことにより、管理効率の大幅な向上やAI主導のイノベーションをはじめとする数々の革新的なメリットを、顧客のエコシステム全体に提供するとしている。

 「Dell AI Solutions」は、LLM推論やRAG AIプラットフォーム、AIパートナー各社と共同開発した統合ソリューションなどを一元的に提供することで、AIの導入と展開、管理、拡張を簡素化および促進する。Dell Automation Platformは、顧客のシステム用に最適化した検証済みで事前構成済みのソリューションをすべて一カ所で提供することにより、AIソリューションの導入を簡単に実現する。

 デル・テクノロジーズでは、Dell Automation Platformは昨今の課題に対応しながら、将来の新たな機会を切り開くと説明。今回、Dell Private CloudとDell NativeEdgeが統合されたが、数週間以内にDell AI Solutionsの統合も予定しており、これによってDell Automation Platformは、今後さらに大きな可能性を顧客にもたらすとしている。