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TOPPANデジタル、NFCを活用した真贋判定などが可能なID認証基盤構築を支援する「ID-NEX NFCエコシステム」を提供
2025年9月5日 15:17
TOPPANデジタル株式会社は5日、NFCタグをスマートフォンで読み取るだけでアプリが不要な真贋判定などが可能なセキュアID認証サービス「ID-NEX NFC」をベースに、さまざまなNFCタグに対応し、企業が既存で運用するサービスサイトやアプリと連携できる汎用ID認証プラットフォーム「ID-NEX NFCエコシステム」の提供を開始した。
これまでID-NEX NFCでは、顧客の要望に合わせてNFCタグ、専用ID生成、ID連携先のクラウド型ID認証プラットフォームを個別開発して提供してきた。今回、ID生成システムの改修およびAPI接続機能の最適化により、企業のさまざまなNFC認証活用のニーズに汎用的に対応できるクラウド型ID認証プラットフォームとして提供する。
ID-NEX NFCエコシステムは、さまざまなNFC認証の用途で汎用的に活用できるプラットフォームのため、複雑な認証の仕組みを個別に構築する手間がなく、開発時間やコストを削減できる。これにより、企業は模倣品対策や消費者向けキャンペーンを迅速に開始でき、市場投入までの時間を短縮できる。
AES-128暗号化に対応し、解析が困難でセキュリティの高いNFC用ICチップをはじめ、認証方法がそれぞれ異なる5種類のセキュアICチップに標準対応し、製品やサービスのセキュリティレベルに応じて最適なICチップを選択でき、さまざまなニーズにきめ細かに対応できる。また、TOPPANグループがこれまで培ってきたセキュアICチップへの知見や最新の技術動向の把握により、今後リリースされるセキュアICチップにも順次対応していく。
既存のサービスやキャンペーンアプリとAPIで簡単に連携が可能で、企業が既に持つ顧客データやサービス基盤を有効活用できる。これにより、企業はNFC連携のための既存サービスサイトやアプリの改修、新規構築などが不要となり、開発コストを軽減できる。また、ブロックチェーンなどの先進技術とも連携可能で、トレーサビリティや信頼性をさらに高められる。同機能は、2024年10月にTOPPANホールディングスのグループ会社となったベルギーのSelinko SAのID認証プラットフォームにおける技術開発力を活用して実現した。
導入後の運用・保守、セキュリティ脅威や新技術への対応、さらなるサービス拡張まで、継続的なサポートを提供する。セキュアICチップの専門知識がない企業でも安全・安心なシステムを運用でき、担当者の負担を軽減できる。
ID-NEX NFCエコシステムの参考価格は、基本価格がID 10万件の場合で600万円から。NFCタグ1000枚とID認証プラットフォーム(1年間利用)をセットにしたPoCスターターキットは65万円から。要件やオプション仕様により詳細は別途見積もり。
TOPPANデジタルでは、ID-NEX NFCエコシステムを国内外のスピリッツ業界やラグジュアリー業界に向けて拡販を進める。真贋判定に加え、商品に貼り付けられたNFCタグ読み取り時の位置情報を活用することで、不正流通の防止や、店頭やイベント会場での顧客エンゲージメント強化などへ用途を拡大し、2028年までに関連受注を含め約30億円の売り上げを目指す。