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PwC Japan、ISO 42001を満たす企業AIマネジメントシステムの構築支援サービスを提供
2025年7月28日 14:32
PwC Japanグループは25日、人工知能(AI)システムの開発や提供、利用のために企業などの組織が順守すべき要求事項を定めた国際標準規格「ISO/IEC 42001(以下、ISO 42001)」を満たす企業のAIマネジメントシステム構築に向け、包括的な支援の提供を開始すると発表した。認証機関の審査基準を満たしているかなどの評価や認証取得の支援だけでなく、取得後のマネジメントシステムの維持・改善などに関する長期的なサポートも実施可能としている。
ISO 42001は、組織が責任あるAIの開発や利用を実現するための枠組みを提供しており、AIの活用方針の確立や、AIシステムのライフサイクル全体にわたるリスク管理などを含む全10章からなる要求事項で構成されている。また、認証を行う審査登録機関向けの国際標準規格「ISO 42006」も2025年7月7日に発行され、認証機関の登録が始まり、認証プロセスが開始される。
PwC Japanでは、ISO 42001の取得やAIマネジメントの確立は企業にとって、AI利用における透明性の確保やビジネスパートナーとの信頼の醸成の他、各国が導入する新たなAI関連規制に対する包括的な対応策にもつながると説明。現在、多くの企業が認証取得に向けたAIマネジメントシステムの確立への関心を強めているが、ISO 42001に基づくAIマネジメントシステムを構築するためには、文書や規定類の整備にとどまらず、組織の実態に即した、持続的に運用可能で実効性のある仕組みが求められるという。
PwC Japanが開始するサービスでは、まず現状のAIシステムの管理体制を把握して、ISO 42001で求められる要件とのギャップを整理する。その後、AIのリスク評価や管理プロセスの構築支援などを経て、認証取得の必要書類の整理や社内トレーニングプログラムの実施、認証審査に向けた模擬審査や改善指導を行う。認証取得後も、定期的な運用状況の確認や改善提案、新たなリスクへの対応支援が可能。さらに、さまざまな専門分野のコンサルタントがチームを組み、AI技術、データガバナンス、セキュリティ、法規制・ガイドラインに関する高度な知識を提供する。
PwCは、149カ国に37万人超のスタッフを擁し、地域別、業界別の多様な経験とノウハウ、ネットワークを保有しており、世界各国の最新の知見や多国籍企業を支援した経験に基づいた支援を提供するため、企業はISO 42001にとどまらず、各国の法規制要件への柔軟な対応も可能になるとしている。