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シュナイダーエレクトリック、プレハブ型モジュラーなどAI/HPCに向けた新しいデータセンターソリューションを発表
2025年6月18日 06:15
仏Schneider Electric(以下、シュナイダーエレクトリック)は現地時間11日、次世代AIクラスターアーキテクチャの要求に対応するために設計された新しいデータセンターソリューションを発表した。
同社の「EcoStruxure Data Center Solutions」ポートフォリオを進化させ、液冷、高出力バスダクト、高密度NetShelterラックを統合したプレハブ型モジュラー「EcoStruxure Pod Data Center」ソリューションを公開した。また、「EcoStruxure Rack Solutions」は、HPCおよびAIデータセンターの迅速な展開を支援するラック構成とフレームワークを提供する。これらの新製品は、世界中で提供開始している。
シュナイダーエレクトリックでは、AIクラスターの導入が進む中、ラックの電力密度は1MWを超えると予測される中で、同社の新しいソリューションは、ポッドおよびラック設計、電力供給、熱管理における新たな課題に対応する、統合されたデータ検証済みで容易に拡張可能な、データセンター内のIT機器を設置するスペース向けのソリューションを提供するとしている。
シュナイダーエレクトリックのEcoStruxure IT担当シニアバイスプレジデントHimamshu Prasad氏は、「AIクラスターに必要な電力密度は、従来のデータセンターアーキテクチャでは対応しきれないボトルネックを生み出しています」と説明。「当社の次世代EcoStruxureソリューションは、NVIDIAの技術をサポートし、極端な熱負荷や動的な電力プロファイルに対応しながら、迅速な展開、スケーリングを予測可能にし、効率的かつ持続可能な運用を実現します」と述べている。
プレハブ型モジュラーのEcoStruxure Pod Data Centerは、拡張性のあるポッドアーキテクチャにより、1MW以上の高密度ラックの大規模展開が可能。液冷、電力バスダクト、複雑な配線、ホットアイル封じ込め、InRowおよびリアドア熱交換器冷却アーキテクチャをサポート。事前設計・組み立て済みで、迅速な導入を可能とする。
EcoStruxure ラックソリューションは、EIA、ORV3、NVIDIA MGXのモジュラーデザイン標準に対応し、Motivairによるラック内液冷、拡張されたラックおよび電力分配製品を搭載する。
NetShelter SX Advanced Enclosureは、高く、奥行きを備えた強固なラックで、重量・配線・インフラの増加に対応し、AIサーバーと液冷システムの安全な輸送を保証する。NetShelter Rack PDU Advancedは、AIサーバーの高電流ニーズに対応。垂直・水平モデルで回路数を増加し、EcoStruxure ITとの統合を強化する。
NetShelter Open Architectureは、オープンコンピュートプロジェクト(OCP)にインスパイアされたラックアーキテクチャで、受注生産のソリューションとして利用でき、オープンラック規格、電源シェルフ、ラック内バスバーが含まれる。その一環として、NVIDIA MGXアーキテクチャをラック設計に利用した、NVIDIA GB200 NVL72システムをサポートする新しいシュナイダーエレクトリックラックシステムも開発され、シュナイダーエレクトリックは初めてNVIDIAのHGXおよびMGXエコシステムに統合されたという。
新しいソリューションと一連のデータセンターのリファレンスデザインは、データセンターのオペレーターとシュナイダーエレクトリックのパートナーエコシステムに、強力なAIクラスターをより迅速かつ確実に展開するために必要なインフラストラクチャと情報を提供するとともに、AIワークロードのための信頼性の高い電源と冷却、導入の複雑さとリスク、市場投入までのスピードとサプライチェーンのレジリエンス、高度なインフラストラクチャの管理におけるスキルギャップといった、一般的な導入の課題に対処するとしている。