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三菱総合研究所、AIエージェントを活用した定量的な事業影響評価の支援機能を提供
2026年5月19日 14:37
株式会社三菱総合研究所(以下、MRI)は18日、外部環境の急激な変化に伴う事業への影響を、売上高・利益・生産量などの指標で定量的に見積もるための支援機能を、MRIが企業向けに提供している戦略決定のための情報基盤「インテリジェンス基盤」に新機能として追加した。
新機能は、AIエージェントを活用して、外部環境変化が及ぼす事業影響のシナリオ作成から算出、論拠提示までを一気通貫で実行し、意思決定に必要な影響評価を迅速に実施できるようにする。
MRIは機能提供の背景として、近年、中東危機や輸出規制といった急激な外部環境の変化が、企業に損失と機会の両面で大きな影響を及ぼしていると説明する。経営の意思決定にあたっては、こうした変化の影響を定量的に見積もる必要があるが、高度な専門知識や膨大な工数が必要なことから、多くの企業では迅速に試算することが困難だという。
MRIは、シンクタンクおよびコンサルティングファームとして培ってきた情報収集・分析の知見をAIエージェントに実装した「インテリジェンス基盤」を企業に提供している。インテリジェンス基盤では、経営リスク評価、中長期経営計画策定・推進管理評価、事業機会探索の機能拡張を通じて、経営の意思決定の高度化を支援している。
今回、定量的な影響評価を行う機能を追加することで、具体的な根拠に基づく経営の意思決定を支援できるようになった。
新機能は、外部環境の変化を踏まえた影響シナリオに基づいて影響評価の対象を定義し、算出方法の提示から試算、論拠提示を行う。
影響評価の対象例は、財務インパクトでは売り上げ・利益(例えば、台湾有事発生時による営業利益への影響など)、企業活動では調達活動・サプライチェーン(例えば、中国の重要品目への輸出規制措置による月次生産可能台数への影響など)、その他、目的に応じて設定できる。
AIエージェントが、影響シナリオ作成から係数設定、算出(前提を置いた概算見積もり)、論拠提示まで、推定プロセス自体を組み立て、一気通貫で影響度合いを算出する。定量評価をインテリジェンス業務のAIワークフローの一部として組み込むことで、意思決定に直結する評価を継続的に回しやすくする。
チャット形式で適宜深掘りや修正が可能なため、前提の調整や説明の補強を行いながら、実務資料への落とし込みを支援する。
出力内容(アウトプット)は、影響の規模感を、根拠とともに悲観・中立・楽観の3パターンで提示する。高精度の一点推定を目的とするのではなく、意思決定に必要な説明性・納得性を重視する。
機能についてMRI内部で検証した結果、チャット型生成AIの単体利用の場合と比較して、9.2ポイントの精度向上を確認したという。
MRIでは、インテリジェンス基盤について今後、外部環境の分析に加え、内部環境の分析に関する機能を段階的に拡張していく。合わせて、売り上げ・利益などの経営指標にとどまらず、サプライチェーンを含む企業活動への影響も、定量的に把握・評価できるよう拡充する。将来的には、外部・内部の分析結果を統合し、戦略レビューから単年度計画への落とし込みまでを一貫して支援する、総合的な経営支援プラットフォームへの進化を目指すとしている。

