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Qlik、フルマネージド型Apache Icebergソリューション「Qlik Open Lakehouse」を発表
2025年5月20日 08:00
米Qlikは現地時間14日、データ統合製品「Qlik Talend Cloud」に対応した、フルマネージド型のApache Icebergソリューション「Qlik Open Lakehouse」を発表した。
Qlik Open Lakehouseは、より迅速な拡張性とコスト削減を迫られている企業向けに設計されたソリューションで、ベンダーロックインや運用負荷を伴うことなく、リアルタイムのデータ取り込み、自動最適化、およびマルチエンジン間の相互運用性を実現するとしている。
エンタープライズ規模でのリアルタイムのデータ取り込みが可能で、クラウドアプリやSaaS、SAP、メインフレームなど、数百のソースから毎秒数百万件のレコードを、低遅延かつ高スループットでIcebergテーブルに直接取り込む。
インテリジェントなIceberg最適化を完全自動化でき、Qlikの常時稼働する「Adaptive Iceberg Optimizer」が、データの圧縮、クラスタリング、プルーニングを自動的に処理し、最大5倍のクエリ高速化と50%のストレージコスト削減をチューニング不要で実現する。
設計段階からオープン、標準で高い相互運用性を実現。Iceberg対応のさまざまなエンジンであるSnowflake、Amazon Athena、Apache Spark、Trino、SageMakerなどを用いて、再プラットフォーム化やデータの再処理なしでも、Icebergテーブルのデータにアクセスできる。
資源もクラウドも、企業のポリシーで自由に設計が可能。ソリューションは、顧客のAWS VPC環境内でネイティブに動作し、「Bring Your Own Compute(BYOC)」モデルに対応する。パフォーマンス、セキュリティ、コストに対する完全なコントロールを顧客に提供する。
一つのプラットフォームでエンドツーエンドに対応し、データの取り込みや変換、ガバナンス、データ品質管理、FinOpsの可視化に至るまで、パッチワークを必要としない、統合型レイクハウス体験を提供する。
Qlikでは、AIワークロードがより広範で新鮮なデータセットへの高速アクセスを求める中で、Apache Icebergのようなオープンフォーマットが新たな基盤となりつつあると説明。Qlik Open Lakehouseはこの流れに対応し、Icebergベースのアーキテクチャを、カスタムコードやパイプラインの手間なく簡単に構築・管理できるようにする。さらに、Qlik Open Lakehouseは顧客自身のAWS環境内で稼働するため、データのプライバシー、コスト管理、運用の可視性をすべて確保できるとしている。
Qlik Open Lakehouseは現在、プライベートプレビューとして提供中で、2025年7月に一般提供を開始する予定。プライベートプレビューには制限があるため、GA(一般提供)よりも先にモダナイゼーションを希望する場合は、早期アクセスの申請を推奨するとしている。