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富士通、マイナンバー制度対応ビジネスを説明、販売目標は650億円
(2015/9/3 06:00)
富士通株式会社は2日、富士通グループのマイナンバー制度対応ビジネスに関する記者説明会を開催した。
富士通の木田順啓氏(マーケティング戦略室 番号制度推進室長)は、マイナンバー制度に対する富士通グループの取組方針やソリューションを紹介。マイナンバー制度対応ビジネスについては、2014~2016年度の販売目標は650億円だとした。
販売目標の内訳は、政府・官庁向けが200億円、自治体向けが350億円、民間向けが100億円。政府・官庁や自治体向けは順調に商談を獲得中で、民間向けは2014年12月のガイドライン公布以降に商談が活性化しているという。
マイナンバー制度対応の時期については、2015年10月のマイナンバー通知開始、2016年1月の各種手続きでの利用開始、2016年4月の新入社員対応、2016年9月の年末調整への対応準備という、4つのタイミングで企業や団体が対応を開始することを想定していると説明。現状では、2015年10月から対応を開始する企業は想定よりもやや少なく、2016年以降の対応開始を検討している企業が多いという。
ただし、企業や団体がマイナンバーを含む特定個人情報を取り扱う際には、ガイドラインで示された安全管理措置への対応が必要であり、マイナンバーの収集を開始するまでに「運用プロセスの見直し」と「システム対応」を行うことが必要だと案内しているとした。
富士通のソリューション体系としては、コンサルティングサービス、システム対応、教育サービス、セキュリティサービスを提供している。特に、セキュリティサービスについては「マイナンバー制度対応のためにセキュリティ対策が必要」ではなく、「セキュリティ対策を点検する機会としてのマイナンバー制度対応」と位置付け、企業を支援しているとした。
株式会社富士通マーケティングの古瀬健二氏(商品戦略推進本部 マイナンバービジネス推進統括部 プロジェクト統括部長)は、人事給与システムにおけるマイナンバー対応の業務パッケージソリューションを紹介した。
企業が独自に構築している人事給与システムなどのマイナンバー対応を支援する製品としては、マイナンバーの収集・保管・申告業務を支援する「アドオンマイナンバーシステム」を提供している。既存のシステムについてはできる限り改修を行わずにマイナンバー対応を行える点が特徴の製品で、連携部分のインターフェイスを構築することで、マイナンバーを付与した申告帳票出力を行えるようになる。
2日には、この「アドオンマイナンバーシステム」をSaaS型で提供する「アドオンマイナンバー SaaS」を発表。富士通のデータセンターに構築されたシステムを利用するため、企業側のシステム運用負荷が軽減されるとともに、利用企業ごとに専用環境を提供することでよりセキュアな環境で利用できると説明。収集、保管、申告の機能ごとにサービスを選択できるため、必要としている機能のみにすることで運用コストも抑えられるとした。
アドオンマイナンバー SaaSの参考価格(税別)は、基本サービス(保管)が1000IDで月額16万円から。初期導入サービスが160万円から。
また、富士通の業務ソリューション「GLOVIA smart」シリーズでも、マイナンバーの収集、保管、届出に対応。マイナンバー業務用に最適化されたPCとして、手のひら静脈認証などを備えた「AZBOX マイナンバー業務システム連携PC」の提供を10月1日に開始することなどを紹介した。
富士通の長谷川峰夫氏(サービスマネジメント本部 グローバルHCMサービス推進室長)は、マイナンバー制度で発生する新たなプロセスを富士通が業務代行するBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスについて紹介。サービスメニューとしては、富士通のセンターでマイナンバーの収集や管理を行う「センター型」と、専任スタッフが企業に常駐する「オンサイト型」の2種類があり、対象が5000人以上の企業にはセンター型、対象が5000人未満の企業にはオンサイト型を提案しているとした。