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NTT Com、PBXをクラウド化する「Arcstar Smart PBX」~スマホも内線化
(2014/4/1 06:00)
NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は1日、クラウド型PBXサービス「Arcstar Smart PBX」を提供開始した。併せて、外線IP電話サービス「Arcstar IP Voice」を機能強化。同社の“ボイスクラウド”を強化し、新しいコミュニケーションを提案する。
クラウド型PBXサービスを提供
Arcstar Smart PBXは、PBXやビジネスホン主装置を使用せずに、NTT Comのクラウド基盤上にあるIP電話サーバーにより、PBX機能と内線機能を提供するサービス。
昨今、PBXやビジネスホンの音声設備をクラウド化するニーズや、固定電話とモバイル端末間の内線連携サービスのニーズが増えている。これらに応えるもの。
PBXやビジネスホン主装置をクラウド化することで、設備導入や保守・メンテナンスの費用が不要となるほか、機器設置スペースの確保も不要となる。
また、PBXやビジネスホン主装置の各種設定をWebサイト上で簡単に変更できるようになり、番号数や通信チャネル数(同時接続数)を必要なときに必要だけ利用可能となる。
複数の拠点に導入すれば、拠点間の内線通話が実現。既存のPBXとも連携するため、新規拠点のみ先にクラウド化して、ハイブリッド構成で利用することも可能だ。
専用アプリが用意され、固定電話だけでなく、PCやスマートデバイスも内線化が可能。代表番号へのコールの一斉着信、コールピックアップ、保留転送などの一般的な機能がスマートデバイスを含めて利用できる。
サービスを利用するための回線は、3G、LTE、無線LAN、各種インターネット接続サービスに対応し、今後、より高いセキュリティで利用できるよう、閉域網接続もサポートする。そのほか、2014年度上期中にArcstar Smart PBXと「Web電話帳」の連携も進める予定。
価格は、月額基本料が5000円(税別)/内線グループ。月額内線番号利用料が500円(同)/内線番号。新設工事費が1万円(同)/内線グループ。内線通話料は無料。
外線IP電話サービスの機能強化
IP電話による外線通話機能を提供するArcstar IP Voiceでは、いくつかの機能拡充を図った。まず、Arcstar Smart PBXや、クラウド型ユニファイドコミュニケーションと内線機能を提供する「Arcstar UCaaS」と連携。外線・内線ともにIP電話化できるようにした。
これまで提供してきた企業向けVPNサービス「Arcstar Universal One」とセットでの利用に加え、インターネット接続サービス「OCN」のネットワーク上でも外線IP電話をかけられるようにした。VPNよりも安価で導入が手軽なため、今までよりさらにコストを抑えてArcstar IP Voiceが導入できるとする。
ICT環境を見える化する「NTT Com ビジネスポータル」にも対応。同社が提供するクラウド・ネットワーク・セキュリティサービスなどを利用者が一元的に運用管理できるポータルサイトで、Arcstar IP Voiceにおける通信コストの見える化や、柔軟な設定変更による通信コストの削減に寄与するという。
このほか、緊急通報や災害時優先電話機能なども追加した。
利用可能な番号種別は、050番号および0ABJ番号。チャネル数(同時接続数)は1000まで。価格は1番号が無料、それ以降が月額100円(税別)/番号。さらにチャネル(同時接続)が月額580円(同)/1チャネル。
NTT Comのボイスクラウド
今回の発表により、同社のボイスクラウドラインアップは、ユニファイドコミュニケーション・内線の「Arcstar Smart PBX」「Arcstar UCaaS」、会議系サービス「Arcstar Conferencing」、モバイル「050 Plus W-mode」、コミュニケーションポータル「Web電話帳」となった。4月下旬にはコンタクトセンター「Arcstar Contact Center」もリリースする予定。
これらを武器に「ボイス」の「クラウド化」「IP化」「グローバル化」を推進する考え。「グローバル化」については、Arcstar IP Voiceの海外展開用「Arcstar SIP Trunking」を世界112カ国/地域で、Arcstar UCaaSを世界159カ国/地域で、Arcstar Conferencingを世界32カ国/地域で提供し、顧客の事業活動のグローバル化を支援するとしている。