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ティントリ、4世代目の仮想化用ストレージ「T600シリーズ」と2014年の事業方針を発表

 ティントリジャパン合同会社は30日、新製品発表と2014年度に向けた事業戦略説明会を開催した。職務執行者社長の河野通明氏は、「2012年6月に日本での事業開始以来、累計出荷台数、顧客数は順調に伸張し、日本で仮想システム用ストレージとしては10%を超えるシェアを獲得している。リピートオーダーについても、日本で7台、8台というお客様が増え、規模は小さいがベンチャーとして着実に成長している」と事業の状況を説明した。

 今回、新製品「Tintri VMstore T650/620」とストレージ管理プラットフォーム「Tintri Global Center」を発表したほか、新たなパートナーとしてネットワンパートナーズ、富士通エフサスを加え、「2013年度の事業方針は間違っていなかったとの手応えを感じている。これまでの戦略をさらに強化していく」(河野氏)方針とした。

ティントリジャパン 職務執行者社長の河野通明氏
最近までのハイライト

4世代目のVMstoreプラットフォーム

新製品のTintri VMstore T650/620

 ティントリジャパンは、4世代目となるVMstoreプラットフォーム「Tintri VMstore T600シリーズ」として、「Tintri VMstore T620」、「同 T650」の日本での提供を開始した。

 T620は既存製品T540の下位モデル、T650は上位モデルとなる製品で、今後はT600シリーズとT540と3モデルを販売していく。

 Tintri製品の特徴である、VMを理解・認識するVM-awareアーキテクチャに加え、新しいTintri OS 2.1が搭載され、スナップショット機能、レプリケーション機能の機能強化、SNMPv3、LACPのサポートによる運用・管理機能の強化およびファイルシステム改善によるパフォーマンス向上を実現した。

 「高負荷時でも25秒以下で切り替わり動作を行い、バージョンアップをする際のフェイルオーバー時間のさらなる改善を実現した。ReplicateVMにより、システム間のソフトウェア互換性を実現し、バージョンが合わなくてもレプリケートすることが可能となった」(米Tintri社 テクノロジー&ストラテジーアライアンス担当副社長 レックス・ウォルターズ氏)。

 T620は4Uで、ディスク構成は240GBのSSDを6台、1TBのHDD18台で実行容量では13.5TBで最大VM数は500。500ユーザー以下の仮想デスクトップ(VDI)や中小規模のサーバー統合の用途などで活用できる。価格は1システム単位で1480万円。

 T650は4Uで、480GBのSSDを9台、3TBのHDDを15台で実行容量は33.5TB。最大で2000VMをサポートし、大規模データベースやビジネスクリティカルな基幹システム、1000人以上のVDI、大規模なサーバー統合、クラウド環境など幅広い用途で利用できる。価格は1システム単位で2780万円。

VMstoreシリーズのラインアップ
Tintri ReplicateVMによるレプリケーション例

 新たに12月から提供を始める予定の「Tintri Global Center」は、複数のTintri VMstoreシステムを1つの管理プラットフォームで監視、管理することができるソフトウェア。「VMユーザーにとっては管理といえばvCenterがあるが、ストレージのパフォーマンスを見ることができないといった欠点があるが、その欠点をカバーする監視・管理ソフト」(ウォルターズ氏)だという。

 最大で32台のVMstoreをサポートし、複数のVMstoreとその上で稼働するVMをシングルビューで集中管理する。過去30日分のVMstoreおよびその上で稼働する仮想マシンの詳細な性能情報や容量、データ保護ステータス情報を提供する。

 「最初のバージョンということで、監視とレポーティング機能の提供となっているが、やりたいことの全てを実現しているわけではない」(ウォルターズ氏)という。具体的な提供日程や価格などは現在未定となっている。

米Tintri社 テクノロジー&ストラテジーアライアンス担当副社長 レックス・ウォルターズ氏

パートナー2社が期待を表明

 今回新製品に加えパートナーとして、ネットワンパートナーズ株式会社、株式会社富士通エフサスが加わった。ネットワンシステムズでは、「当社はネットワングループの中で、直販ではなくシステムインテグレーターさん経由で商品を販売しており、これまで扱っていたラインアップにはなかったちょうどよいポジショニングをもっていた」(ネットワンパートナーズ 執行役員 田中拓也氏)とTintri製品を評価する。

 富士通エフサスでは、「仮想環境の中での使い勝手の良さが魅力。仮想環境でストレージを組むと色々な設定が必要となるが、この作業を簡単に済ませることができる。運用の中で性能を見ることができる点を評価するお客様も多い」(株式会社富士通エフサス サービスビジネス本部 サービス企画統括部長兼マルチベンダービジネス支援センター長の武野正浩氏)という点を評価しているという。

ネットワンパートナーズ 執行役員 田中拓也氏
富士通エフサス サービスビジネス本部 サービス企画統括部長兼マルチベンダービジネス支援センター長 武野正浩氏

 ティントリジャパンでは2014年の事業戦略として、「間違っていなかったという手応えを感じている。今年も継続して市場及びお客様への選択肢の提供、アライアンスの強化、新機能の追加・拡張、可視化・知名度の向上を行う。それに加えてハイタッチ活動を強化し、営業マンの数を増やし、質を上げていく」(河野氏)という目標を掲げている。

 また、VMware以外のVMへの対応についても計画中で、まずKVM、次にHyper-Vへの対応を行う見込みだと説明した。

2014年の事業戦略

三浦 優子