特別企画
仮想環境に特化して設計された新世代ストレージ「Tintri VMstoreシステム」【後編】
Tintriのデータ保護・運用管理機能、将来の動向について
(2014/2/21 06:00)
ベンダーやシステムインテグレータとのアライアンスをさらに強化
VMstoreは、新興企業が手がける製品ということもあり、いったいどれくらいの導入実績があるのか気になるところだ。Tintriによれば、2013年11月時点においてワールドワイドでは300社、日本国内では70社の顧客がVMstoreを活用しているという。
導入規模も大小さまざまで、とりわけ大規模の海外案件では、世界4カ所のデータセンターに合計30台のVMstoreが導入されている。この案件では、大規模なプライベートクラウド基盤にVMstoreを採用し、その上で仮想サーバー環境と仮想デスクトップ環境を支える5万台以上の仮想マシンが稼働しているという。
そして、全顧客のうち8割は一般企業で、残りの2割がサービス事業者である。筆者が想像していた以上に一般企業の比率が高いが、これは、仮想環境であれば用途を選ばずに導入できるTintri製品ならではの強みに由来するものだ。
近年では、仮想環境に最適化されたハードウェアソリューションが続々と登場しており、中にはそのような取り組みによって大きなシェアを獲得した製品も出てきている。例えば、ネットワーク機器ベンダーとして知名度の高いCisco Systemsは、2008年から仮想環境に最適化されたCisco UCS(Unified Computing System)を提供し始めている。Cisco UCSの構成要素であるUCSサーバーは、仮想化の波に乗りながら急速にシェアを拡大し、現在ではブレードサーバーの世界シェアで第3位にまで躍り出ている。
ストレージ分野においても、VMstoreのような仮想環境に特化したソリューションは、これからかなり注目を浴びるはずだ。ただし、ストレージシステムだけでは仮想化ソリューションが成り立たないので、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアベンダーなどと密接に連携していくことが不可欠である。
さらに日本では、顧客との直接的な窓口になるシステムインテグレータとの協業も欠かせない。ティントリジャパンは、このような日本ならではの事情を踏まえ、すでに6社(東芝ITサービス、ノックス、丸紅情報システムズ、ユニアデックス、ネットワンパートナーズ、富士通エフサス)とのパートナーシップを締結している。
Tintri, Inc. Vice President, Technology and Strategic AlliancesのRex Walters氏は、こうしたアライアンス強化の重要性について「Tintriは、お客さまにとってベストなものを常に組み合わせるという『best of breed』の考え方を基本としています。このため、お客さまに多くの選択肢をご提供できるように、さまざまなベンダーとのパートナーシップを築いていくべきだと考えています。現在もアライアンス強化に向けた取り組みを水面下で積極的に進めているところです」と説明する。