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TOPPAN、生成AI管理基盤を活用してマーケティングDXの推進を支援するサービス
2025年5月9日 12:00
TOPPAN株式会社は8日、AIによるデータ利活用を安全かつ効率的に実現できる「生成AI管理基盤」を開発したと発表した。同社ではこの基盤を活用し、企業のマーケティング領域において、AI導入から運用までを統合的に支援する新サービスを提供開始する。
TOPPANが開発した「生成AI管理基盤」は、AIによるデータ利活用を安全かつ効率的に行えるように支援するサービス基盤。各企業が保有しているさまざまなデータを取り込み、高精度な回答を引き出すRAG(検索拡張生成)機能を搭載しており、業界/企業のニーズに合わせたカスタマイズに対応するため、専門性の高い回答を実現可能という。
また、AIエージェントが利用者の状況を自律的に認識し、自発的にフローを組み立てるAIエージェンティックワークフロー機能を搭載した。これにより、各種サービスとの連携による解決策の提示だけでなく、自律型AIによる業務の支援も受けられるとしている。
さらにローコード開発に対応しているため、複雑な業務フローを迅速に構築でき、システム開発にかかるコストと時間を削減しながら、顧客企業のさまざまなニーズに対して柔軟に対応するとのこと。
なお「生成AI管理基盤」はSaaS型クラウドサービスとして提供され、TOPPANのセキュリティ基準にのっとった国内のデータセンターで管理されているため、企業が保有しているデータを安全に利活用可能。短期間かつ負担の少ない形で導入でき、段階に応じた柔軟な拡張やコスト調整を行える点も特徴とした。
一方、この基盤を利用した「AI Powered化の支援サービス」は、短期間でAI導入/効果/検証を行い、マーケティングDX領域における業務プロセス改革を実現させるもの。企業のビジネス全体を俯瞰(ふかん)したうえで課題を抽出し、その企業に適したAI戦略の立案を行うとともに、その計画の実装と運用、事業成長までをトータルにサポートするという。
このうちAI戦略の立案では、TOPPANがBPO事業で培ってきたノウハウを基に、顧客企業の業務内容を分析し、ビジネス上の課題を整理したうえで、社内外のデータ活用状況や業務フローを体系的に可視化し、AI導入によって大きな成果が見込まれる領域を明確化する。そのうえで、「生成AI管理基盤」を活用して短期間でAIプロトタイプを構築。実際の業務環境を想定したテスト運用を行い、具体的な導入効果と費用対効果を迅速に評価するとした。
続いて、業務の全体把握から抽出された課題を踏まえ、TOPPANが保有する幅広い事業領域の中で開発したAIソリューション群を組み合わせながら、AI活用の具体的な施策を提案し、業務プロセス全体を再設計する。さらには、検証結果を基に企業のAI戦略を定義し、本格導入を見据えたプロジェクト計画を策定するとともに、AI活用の定着を目指して運用支援や改善提案を継続することで、企業のビジネス価値最大化につながるAI活用を長期的にサポートするとのこと。
このほか、業務マニュアルや営業マニュアル、顧客の声、さらに営業日報などといった企業のノウハウをAIに集約・蓄積し、これまで散在していた情報を一元管理することにより、誰もがアクセスしやすい「知のプラットフォーム」構築も実施する。これにより、作業効率の向上を図るとともに、ノウハウの属人化を防ぎ、組織全体でスムーズな情報共有を行えるようにするとした。あわせて、新たな施策立案や改善提案のヒントを得ることで、継続的な業務プロセスの最適化にもつなげられるとしている。
なお、新サービスの提供開始に先立つ2025年4月には、AI CoE(Center of Excellence)として、TOPPANグループのAI推進を図るグループ横断組織「全社AI推進室」が設置されており、新サービスを始めとしたTOPPANグループのAIサービスの戦略策定を全社的にリードするとのこと。