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BoxとIBM、Box AIとIBM watsonxを活用したエンタープライズレベルAIの導入支援で協業を強化

 米Boxと米IBMは現地時間4月29日、IBM watsonxとBox AIを利用して、コンテンツ主導型ワークフローを実現するための、エンタープライズレベルAIの導入支援を加速するために、協業を強化すると発表した。

 BoxとIBMは、組織のデータの大半は、契約書、スプレッドシート、プレゼンテーションなどに埋もれた非構造化データであることがほとんどで、こうしたデータはAIにとって非常に貴重である一方で、機密性が高い場合が少なくないと説明。AIがこのデータにアクセスするための信頼できる技術の確立が、特に規制の厳しい業界では、セキュリティとコンプライアンスの取り組みに不可欠だとしている。

 両社の協業により、Boxの顧客は、Box AIとIBM watsonxを活用することで、企業のコンテンツやデータの価値を引き出せると説明。このソリューションでは、IBMのエンタープライズAIスタジオであるwatsonx.aiを使用して、オープンソースのIBM Graniteモデルや最新のMeta Llamaモデルなど、Box AI向けのモデルを提供する。ビジネスプロセスの自動化やコンテンツ管理にAI機能を組み込むことで、企業はデータ抽出、自動文書処理、コンテンツ分析など、AIを活用した幅広いユースケースに取り組めるとしている。

 IBMは現在、Box AIとIBM watsonxを自社の業務で使用しており、Boxは現在、このソリューションを企業顧客向けに提供している。

 さらに、BoxはIBM watsonx.governanceを社内に導入し、開発から本番稼働まで、モデルのライフサイクル全体にわたって、責任あるAIの導入に対応できるようになったと説明。これは、Boxがリスク、コンプライアンス順守義務、AIのライフサイクルに対処し、AIによる洞察が監査可能であり続けるよう支援するよう設計されている。

 Boxはまた、Red Hat OpenShiftの利用も継続しており、これによりBoxはクラウド環境全体でより高速でスケーラブルなAIアプリケーションの開発と導入をサポートし、進化する企業のニーズと技術革新に即した、安全かつ効率的なAI主導のワークフローの実現を支援するとしている。

 IBMは、Box AIとIBM watsonxの組み合わせにより、従業員の生産性を向上させ、Boxコンテンツとの直接シームレスなインタラクションを提供すると説明。IBMは、Box AIとIBM watsonxの組み合わせにより、従業員の生産性を向上させ、Boxコンテンツとの直接シームレスなインタラクションを提供。Box AIを使用することで、IBMの社員はパートナーがどのようにwatsonxを自社のソリューションに組み込み、IBMのテクノロジーをさまざまな業界の顧客に提供しているかを体験できる。

 Box AIとIBM watsonxの組み合わせは、Box AI StudioとBox AI APIを通じて、Box Enterprise Advancedの顧客に利用できるようになった。また、IBMはBoxの認定リセラーであるため、IBMを通じてBox AI対応のBox製品を購入した顧客は、watsonxのモデルを利用でき、ビジネスのために構築されたIBMの主要なAIモデルを搭載して、シームレスな体験ができる。