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オラクル、「Oracle Database@Azure」上で「Exadata Database Service on Exascale Infrastructure」を提供

 米Oracle(以下、オラクル)は現地時間20日、「Oracle Database@Azure」上で、「Oracle Exadata Database Service on Exascale Infrastructure」の一般提供を開始したと発表した。

 Exascaleでは、すべてのリソースを柔軟な従量課金制で利用でき、OPSに対する追加料金は発生しない。必要なデータベースサーバーECPU数とストレージ容量を指定するだけで、すべてのデータベースがプールされたストレージサーバーに分散され、高いパフォーマンスと可用性を実現する。これにより、Oracle Database@Azureの一部としてExadata Database Serviceを使用する顧客は、リソースの柔軟かつきめ細かなオンラインスケーリングが可能になり、エントリーレベルのインフラコストを最大95%削減できるとしている。

 Exadata ExascaleのインテリジェントなRDMA対応ストレージクラウドは、利用可能なすべてのストレージサーバーにデータベースを分散する。データ認識可能でインテリジェントな「Smart Scan」を使用して、何千ものCPUコアを利用可能にし、あらゆるデータベースクエリを高速化する。「Exascale Storage Cloud」は、アクセス頻度が高いデータや頻繁にアクセスされるデータを、ディスクからメモリやフラッシュにインテリジェントに移動し、高性能DRAM、高速IOPS、大容量ディスクを実現する。

 Exascaleは、独自の「AI Smart Scan」を用いて、データと計算負荷の高いAIベクトル検索処理を、「Exascale」インテリジェントストレージクラウドにオフロードする。AI Smart Scanと「Exadata System Software 24ai」は、主要なベクトル検索処理を最大30倍高速化し、マルチユーザー環境で何千ものAIベクトル検索を同時に実行することを可能にする。

 データベースサーバー間のインテリジェントな超高速RDMA通信により、Exascale仮想マシンクラスタ全体にわたって、高スループットのOLTPアプリケーションを拡張し、より多くの同時ユーザーをサポートする。RDMA通信による低レイテンシで、ミッションクリティカルなトランザクションを大幅に高速化する。

 独自のデータインテリジェンスにより、データ集約型のSQLクエリがExascaleインテリジェントストレージクラウドに自動的にオフロードされるため、分析のスループットが最大2880GB/秒まで向上する。自動列化により、データを超高速のインメモリ列形式に変換し、Exascaleインテリジェントストレージクラウドのフラッシュキャッシュを自動的に使用して、処理能力とパフォーマンスを向上させる。

 さらに、高度なスナップショット機能により、ユーザーはExascaleのインテリジェントなストレージクラウドとリダイレクトオンライトテクノロジーを使用して、フルコピーまたはシンクローンを瞬時に作成し、DevOpsオペレーティング・モデルを加速させられる。

 Oracle Exadata Database Service on Exascale Infrastructureは、プライベートオファーによる個別見積もり、または従量課金制でAzure Marketplaceから購入できる。顧客は、既存のAzure契約、割引プログラム、およびBYOL(Bring Your Own License)や「Oracle Support Rewards」などのオラクルライセンス特典を利用できる。

 さらに、Oracle Database@Azure上の「Oracle Base Database Service」も近日中に利用可能となり、管理が容易な従量課金制の料金体系でOracle Databaseのワークロードを仮想マシン上で実行できるようになる。Oracle Base Database Serviceは、「Oracle Database Enterprise Edition」と「Standard Edition 2」の19cと23aiのバージョンを仮想マシン上で実行する。これにより、データベースライフサイクル管理の自動化による管理負担の軽減、ローコードアプリケーション開発機能の提供、従量課金制によるコンピュートおよびストレージリソースの独立したスケーリングが可能になる。

 Oracle Database@Azureは現在、Microsoft Azureリージョンの米国東部2で利用可能となっており、今後12カ月間でさらに18のリージョンが追加される予定。また、専用インフラストラクチャ上の「Oracle Exadata Database Service」は、次世代の「Exadata X11M」プラットフォームをサポートするようになった。