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オプテージ、福井県美浜町に生成AI向けコンテナ型データセンター開設へ

 株式会社オプテージは10日、関西電力グループとして初となる生成AI向けコンテナ型データセンターを、2026年度中に福井県美浜町に開設し、顧客向けに高性能GPUチップを搭載した「AI学習用GPUサーバー」を占有型で提供すると発表した。

 同データセンターは、電源に原子力由来100%のCO2フリー(ゼロ)の電気を利用することで、ゼロカーボン社会の実現にも貢献すると説明。これによりオプテージは、大阪市内に2026年1月開設予定の都市型コネクティビティデータセンター(OC1)と、自社光ファイバーを活用した高品質な通信ネットワークの活用によるAI向けインフラを、ワンストップで提供するとしている。

 オプテージでは、機械学習などに用いられるAI学習用GPUサーバーには高度な計算能力が必要とされており、通常のサーバーと比較して大容量の電力を要する高機能なマシンの利用が不可欠となっていると説明。そのため、都市部に比べて柔軟な電源・土地調達が可能な郊外エリアにおいて、GPUサーバーを設置するAIデータセンターの開設や、クラウドやホスティングなどのGPUサーバー機能の提供が広がっているとしている。

 こうした背景から、オプテージでも開設予定の都市型コネクティビティデータセンター(OC1)の開設を前に、GPUサーバーの設置・利用ニーズが多くの顧客から寄せられており、社会インフラを提供する企業として、AI活用の推進に向け、郊外エリアにおける生成AI向けコンテナ型データセンターの開設および、AI学習用GPUサーバーの占有型での提供を決定したとしている。

 オプテージは、生成AIに適した郊外型コンテナデータセンターの建設と、AI学習用GPUサーバーの占有型での提供を行う。さらに、自社光ファイバー網による高品質な通信ネットワーク、AI推論用GPUサーバー設置に適した都市型コネクティビティデータセンターをAI向けインフラとして自社で提供・保守運用することで、機密性の高い大容量のデータをAI学習・推論に活用し、業務課題の解決や事業の成長を目指す企業に対して、AI向けインフラのワンストップ提供が可能になるとしている。

 福井県美浜町に開設する予定の生成AI向けコンテナ型データセンターは、郊外型コンテナデータセンターとして、大型データセンターに比べて機動的に開設・増設が可能。運用開始は2026年度中。コンテナ筐体、液冷対応の冷却設備を含め、AI学習用GPUサーバー設置に特化した設備とする。詳細仕様は後日公開予定。

 コンテナ型データセンターには、AI学習に最適な高機能GPUサーバーを設置し、占有型での提供を予定する。高度なセキュリティ環境を実現する、物理サーバーの占有(ベアメタル)が可能になるとともに、顧客によるサーバーの保守運用が不要なサービスとして提供する。こちらも詳細仕様は後日公開予定としている。

 コンテナ型データセンターへのネットワーク接続は、セキュアな閉域網接続やインターネット接続など、オプテージの各種通信サービスの利用が可能。また、大阪市内に開設予定の「オプテージ曽根崎データセンター(OC1)」は、高い外部接続性に加え、AI推論に適した環境を用意しており、低遅延が求められるAI推論用GPUサーバーの設置に適した立地環境で、メガクラウドやIXへの高い接続性を備え、キャリアニュートラルで自由な通信環境の構築が可能としている。

 オプテージは、総合情報通信事業者として、コンテナ型データセンターとGPUサーバーの提供を通じた生成AI活用を推進することで、豊かな未来の実現を目指していくとしている。