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四国電力、仮想ブラウザプラットフォーム「Menlo Security」でVDI環境を刷新
レスポンスの遅延や利便性低下といった課題を解決
2025年2月3日 10:00
株式会社マクニカは1月31日、二次代理店である三井情報株式会社と共同で、四国電力株式会社に対して、仮想ブラウザプラットフォーム「Menlo Security Isolation Platform」(以下、Menlo Security)を提供したと発表した。四国電力ではこれにより、グループ11社、1万3000名が安全で快適にWeb利用を行える環境を実現したという。
四国電力では2019年、重要な社会インフラを守るという観点から、セキュリティ対策の一環としてオンプレミスの環境で稼働するVDI(仮想デスクトップ)を導入。Webからの不正アクセスやマルウェア感染等の脅威から端末を保護し、分離した環境でインターネットを利用できる仕組みを整備した。
しかしコロナ禍以降、Web会議の利用が増えてリソース不足が顕著になり、レスポンスの遅延が発生したほか、ログイン可能な人数に限りがあるため、後のユーザーが利用できなくなったりしたという。また、Webを利用するためにはまずVDIにアクセスし、そこからWebブラウザを立ち上げるといった二度手間が発生するので、利便性が低く、業務へ支障をきたしていたとのこと。
リソースを増やそうとしても、同社のVDIは50台以上のサーバーを使用するオンプレミス環境だったため、ハードウェアの調達や設置スペースなどから簡単にできるものではなく、メンテナンスの負荷も過大であり、担当者の負担になっていた。
そこで四国電力は、サーバーの更新を予定していた2025年よりも前倒しして、これらの課題を解決するための代替ソリューションを検討。各種サーバーの調達や設置が不要で、同時接続数の上限がなくなりリソース不足を解消できるとともに、ピーク時に合わせたリソースを確保しておく必要がなく、投資を最適化できるといったクラウドサービスならではのメリットや、大規模ユーザーでの豊富な導入実績を持ち、10万規模のユーザーでも問題なく稼働している事例もあることなどが決め手となり、Menlo Securityの導入を決定した。
Menlo Securityは、ネットワークから分離されたプラットフォームを経由することで、インターネット上から、マルウェアなどを含まない安全な情報だけをユーザー側に転送する仮想ブラウザソリューション。特許技術であるACR(Adaptive Clientless Rendering)を利用して、Webブラウザに代わってクラウド側でWebコンテンツを取得し、プログラムを実行する仕組みにより、Webサイトのレイアウト崩れなどもなく、使い勝手を損なわないネットワーク分離を実現できるという。
四国電力ではこの導入により、最大の課題であったレスポンスの遅さが完全に解消され、アクセスが集中する場合でも、スムーズに業務が行えるようになったとのこと。また従来は、ファイルダウンロードを行う際に、VDI環境へ一度ダウンロードしてからコピーするといった手間を掛けていたが、Webから直接実施できるようになったことで、利便性が向上している。
さらに、システム部門への問い合わせの数が大幅に減少したため、同部門の担当者は、削減できた時間で別の業務を行えるようになったとのことだ。