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マクニカネットワークス、米Menlo Securityのメールアイソレーションサービスを販売開始
メールからのサイバー脅威をクラウド環境で分離して排除
2019年2月7日 06:00
マクニカネットワークス株式会社は6日、米Menlo Securityからリリースされたメールアイソレーションサービス「Menlo Security Advanced Email Threat Isolation」の取り扱いを開始し、本日より提供すると発表した。
同日に行われた発表会では、アイソレーションサービスの特徴や導入事例、今後の日本市場での展開について説明した。
「Menlo Security Advanced Email Threat Isolation」は、従来防ぐことが難しかったメールからのマルウェア・フィッシング脅威をアイソレーションによって排除する製品。Menlo Securityの特許取得済みアイソレーションテクノロジーを応用しており、Office 365やG SuiteなどのWebメールと連携し、メールに含まれるURLリンクへのアクセスと添付ファイルの開封を、分離されたクラウドのMenlo Security Isolation Platform(以下、MSIP)上で実施する仕組みにより、ユーザーは分離・無害化されたコンテンツを安全に閲覧することができるという。
米Menlo Security 共同創業者兼チーフアーキテクトのガータム・アルテカ氏は、メールアイソレーションサービスを提供する背景について、「現在、企業のサイバーセキュリティリスクはWebとメールの2つで85%を占めている。その中で、これまでのエンドポイント保護の技術は、侵入してきた悪意のあるマルウェアを検知し、排除する手法が主流だった。しかし、この手法では、高度化・多様化する攻撃や未知のマルウェアに対応しきれないのが実情だ。これに対して、当社のアイソレーションサービスは、すべてのメールコンテンツにリスクがあるものと考え、あらゆるプログラムを分離されたクラウド環境で実行する。これによって、メールによるサイバー脅威からエンドポイントを100%保護することが可能になる」と述べている。
具体的なサービスの特徴としては、ユーザーに送られてきたメール内のすべてのリンクを分離してドライブバイ エクスプロイトを排除する。メール内のリンクは、すべてクラウド上の安全なアイソレーションセッションで開くため、ユーザーは標的型のスピアフィッシングやドライブバイ エクスプロイトから保護され、感染の第1号になることを回避できる。マルウェアスキャンが難しいパスワード付き添付ファイルも、分離環境で読み込み・実行・無害化し、並行してマルウェアチェックを行う。
また、フィッシングサイトを使った認証情報窃取についても、ユーザーがアクセスするごとに独自のリスクスコアリングを行い、注意喚起メッセージを表示させたり読み取り専用で閲覧させたりすることで、ユーザーが偽サイトにIDやパスワード情報を入力することを防ぎつつ、利便性を損なわずにリアルタイムのIT教育を実現する。
「Menlo Security Advanced Email Threat Isolation」のビジネス状況について、米Menlo Security ワールドワイドセールス担当バイスプレジデントのダグ・シュルツ氏は、「当社のアイソレーションサービスは、米国で急速に認知が広がっており、世界規模の金融機関で導入が進んでいるほか、米国政府からの関心度も高まってきている」とし、「日本市場はセキュリティ意識が高く、当社にとって非常に重要なマーケットであると位置づけている。今後、日本市場への投資をさらに拡大し、マクニカネットワークスと協力して日本の顧客へのサポート体制を充実させていく」との考えを述べた。
また、発表会では、代表的な導入事例として、シンガポールの総合エネルギー企業であるSembcorp Industries社が紹介された。Sembcorp Industries 最高情報セキュリティ責任者のアンディ・ネオ氏は、「セキュリティソリューションの導入にあたって、さまざまな製品を検討したが、サイバー攻撃を100%防げるものはなかった。そうした中で、メールからのマルウェアやフィッシング脅威を完全に排除できるアイソレーション技術に着目。市場シェアNo.1であり、製品クオリティも高いMenlo Securityのサービスを評価し、導入を決定した」と、導入に至る経緯を語った。
最後に、日本市場での展開について、マクニカネットワークス 営業統括部 サイバーセキュリティ第3営業部の高柳洋人氏が説明した。
「当社は、2015年8月にMenlo Securityと代理店契約を締結し、同社のWebアイソレーションサービスの国内販売を手掛けてきた。昨年末時点で、累計100社以上、約40万ユーザーがMenlo Securityの製品を利用しており、ミック経済研究所の調査では、2017年度のWeb分離ツール市場で国内トップシェアを獲得している。こうした状況を踏まえ、今回新たにメールアイソレーションサービスを国内でリリースする。これを機に、メールアイソレーションの新規市場を創出するとともに、従来の検知ベースのセキュリティからのシフトを加速していく。3年後には、100社、40万ユーザーへの販売を目指す」と意欲を見せた。
価格は、1000名規模の環境で1ユーザーあたり年額7300円(税別)。