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キヤノン、自社複合機の保守サービス業務向けにAIエージェントを用いた「スマートサポートチャット」を開発
国内では2026年中の提供を予定
2026年2月9日 11:00
キヤノン株式会社は6日、オフィス向け複合機の保守・サポート担当者向け業務支援システムとして、生成AIを活用した「スマートサポートチャット」を開発したと発表した。まずは欧州・アジア・オセアニアの一部地域で提供を開始しており、米国・日本では2026年中の提供が予定されている。
「スマートサポートチャット」は、ユーザーから問い合わせを受けるコールセンターの担当者や、その後に要請を受けて現場に出動するサービスエンジニアの迅速な対処を支援するシステム。複合機をはじめとしたプリンターの稼働情報を収集し、その情報を基に保守・サポート業務を効率化する各種サービスを提供しているキヤノンのサービス基盤DSF(Data-driven Service Foundation)上に構築された。
具体的には、ユーザーからの問い合わせを受けた保守・サポート担当がPCやスマートフォンからシステムにその内容を入力すると、サービスマニュアルや現場対応のノウハウ、複合機の稼働状況などをシステムが統合的に分析し、トラブルの原因や適した処置方法を提示することが可能だ。
また、回答を生成する際には、キヤノンがこれまで蓄積してきた12万件以上のサービスマニュアルや事例集に加え、実際の対応履歴などを統合した膨大なデータベースから情報を検索できる。
キヤノンでは、こうしたシステムを構築するにあたり、紙詰まりや印刷画像の不良など、必要な専門知識の異なるさまざまな事象に対して回答できる独自のAIエージェントを開発し、システムに搭載した。このAIエージェントでは生成AI技術を活用しており、ユーザーの話した「画像がおかしい」といった言葉を入力するだけで、問い合わせ内容の意味を理解できるという。
さらに、複合機に精通した社内の開発チームがこれらのデータを分析し、適切な処置方法へ導くロジックを組み込んでおり、トラブルと直接関連のないように見える情報でも、関連する専門用語とひも付けてデータベースから引き出せるため、適した対処方法を判断し提示できるとのことだ。
加えて、「スマートサポートチャット」から、稼働中の複合機の操作画面にリモートアクセスして操作したり、部品・消耗品の状態などの情報をリアルタイムで確認したりすることも可能。こうした連携機能をあわせて活用することにより、複合機が実際に使用されている現場へのサービスエンジニアの出動回数を、年間約5%削減することが見込まれているという。また2028年には、複合機本体のさらなる品質向上と、同システムが活用するデータの拡充により、約20%まで削減することも目指すとしている。
