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Google、文章作成サポートなど「Chromebook Plus」の新機能を紹介
2024年10月30日 06:15
Google合同会社は29日、同社のOSを搭載したノートパソコン「Chromebook Plus」の新機能について説明会を開催した。
米Google ChromeOS バイスプレジデントのジョン・マリタス(John Maletis)氏によると、現在日本国内におけるChromebook Plusは、Acer、ASUS、HP、Lenovoの4ブランドが展開しており、ラインアップ数は2024年2月の2製品から、現在は8製品まで拡大しているという。
Chromebook Plusでは、「ハードウェアとソフトウェアを慎重に組み合わせ、Googleのサービスやパートナーのアプリケーションを快適に利用できる性能を提供する」とマリタス氏。従来のChromebookと比較して、処理速度、メモリ、ストレージが2倍となり、ディスプレイも1080p以上を保証している。
マリタス氏は、「Chromebook Plusは、AIを活用してユーザーの働き方に適応するコンピューティング体験を目指している。AIを単に導入するのではなく、ユーザーのワークフローに自然に組み込むことを重視しているほか、クラウドと端末内の両方でAI機能を提供することで、パワフルで使いやすい体験を実現しようとしている」と説明する。
AIを活用したさまざまな新機能を追加
Googleでは、ノートパソコンの中で唯一Chromebook PlusのみにGoogleフォトの編集マジック機能を展開するなど、Chromebook Plus向けのAI機能を強化している。今回マリタス氏が新たに紹介したChromebook Plus向けの機能も、AIを活用したものが中心で、「文章作成サポート」「文章読解サポート」「ビデオ通話の画質と音質の向上」「リアルタイム翻訳」の4点だ。
文章作成サポートは、9月より提供開始しており、日本語にも対応している。OSに搭載されている機能で、右クリックするだけで文章作成サポートを起動でき、Google AIが文章作成のプロセスをサポートする。「正しいプロンプトを書く必要はなく、SNSの投稿や製品レビューなど、さまざまな文書の作成をChrome上でサポートする」(マリタス氏)という。
文章読解サポートは、PDFやWebサイトの内容を要約するもの。追加で質問すると、深堀りした回答を得ることも可能だ。同機能は、10月30日よりまず英語のみで提供される。日本語での提供時期は2025年になるという。
同じく10月30日からは、ビデオ通話の画質と音質も向上する。ノイズキャンセリング機能、スタジオ品質のマイク機能、照明や明るさを自動で調整する外観エフェクト機能により、Googleのアプリだけでなくさまざまなアプリの画質と音質が向上するという。
リアルタイム翻訳は、10月2日より提供している機能で、英語や日本語を含む19カ国語から100以上の言語に翻訳するというもの。Google MeetやZoomといったビデオ通話はもちろん、YouTubeの動画でも、Google AIが翻訳した字幕を画面上で表示する。
Chromebook全般でも機能を強化
このほかにもマリタス氏は、10月よりすべてのChromebookで利用できるようになった機能について紹介した。
まず、ChromebookにGoogleの生成AI「Gemini」が標準搭載され、ホーム画面からGeminiにアクセスできるようになった。
また、ログイン時には中断した作業の概要が表示され、それまでの作業を再開するか、最初からスタートするか選択できるようになっている。
フォーカス機能は、集中して作業したい時間を設定すると、通知などの邪魔が入らないようになる機能だ。
さらに、必要なファイルに簡単にアクセスできるよう、重要なファイルをホーム画面にピン留めし、オフライン時にもすぐにアクセスできるようにするといったドライブの統合が可能になった。
マリタス氏は、「AIベースの機能はChromebook Plusから開始しつつ、順次時間をかけてChromebookにも展開していきたい」と話す。ただし、今回紹介した文書作成サポートと文書読解サポートの2つのAI機能をChromebookで提供するかは、現時点では未定だとしている。