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みずほ銀行、データセンターネットワークの構築で「Cisco Nexus」「Cisco ThousandEyes」を採用

 シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は22日、株式会社みずほ銀行が新設したデータセンターネットワークに、シスコのデータセンタースイッチ「Cisco Nexus」を採用したと発表した。また、ネットワークの監視を高度化する一環として、「Cisco ThousandEyes」の採用も決定し、これによりエンドツーエンドのネットワーク監視を非属人化し、高度なレジリエンスを実現するとしている。

 みずほ銀行は、積極的なデジタル投資を行い、「みずほダイレクト」や「みずほWallet」といったデジタルサービスのさらなる利便性の向上、AI活用によるコンタクトセンターの対応力の向上、最適な金融サービスを顧客に提案するためのデータ活用など、さまざまなDXに取り組んでいる。DXのためのシステムから、入出金や資金の決済、口座や融資の残高管理、利息計算など、みずほ銀行の金融事業の根幹を担っている勘定系システムまで、あらゆるITシステムの稼働を根底で支えているのが、みずほデータセンターネットワークとなる。

 みずほ銀行では、メインセンターから地理的に離れたエリアに新規データセンターを整備することで、広域被災時の事業継続性向上を図ることとした。そこで、みずほ銀行は、最も重視するネットワークのレジリエンスを大幅に高度化するため、ネットワーク構成のシンプル化および監視のさらなる強化を目指し、大規模な見直しに取り組んだ。

 しかし、データセンターネットワークは段階的に拡張してきたため、構築した時代ごとに採用している技術が異なり、ネットワーク構成が複雑化し、一部の有識者への依存を高める状態になっていた。複雑化や有識者への依存度の強さは、日々の運用管理やネットワークの追加・変更などの作業だけでなく、障害発生時の検知・原因の究明や復旧作業の難易度を高め、結果としてレジリエンスを低下させる要因ともなりかねないと指摘。さらに、監視についても、ネットワーク機器の死活監視は行うが、ケーブルの接触不良といった間欠障害、トランザクションの集中などに起因する通信不具合は監視網にかからず、原因特定に時間を要していたという。

 そこで、みずほ銀行は、機器台数の削減、採用技術の統一などによりネットワーク構成のシンプル化を図り、有識者への依存度を低減し、運用管理や障害対応を容易にすること、従来のパッシブ監視に加えて、積極的に稼働状況をチェックするアクティブ監視を実装し、通信不具合の状況をできるだけ早期に把握することを検討していた。

 今回の導入により、レジリエンスをさらに高度化していくために、みずほ銀行のネットワークを熟知し、サポートも信頼する、シスコの機器およびソリューションの採用を決定したと説明。シスコのソリューションを採用したみずほ新データセンターネットワークは、メインセンター、バックアップセンターの両方ですでに稼働を開始しており、シスコがネットワークの基本設計を担当しているという。

 具体的に、みずほ新データセンターネットワークは、データセンタースイッチCisco Nexusの導入によって、ネットワーク構成をシンプル化し、さらにSpine/Leafトポロジーによってシンプル化した物理ネットワーク上で、コンピューティングリソースやファイアウォール、ロードバランサー、IDS/IPS、ルーターなどのサービスリソースを論理的に組み合わせて仮想ネットワークを構築できるCisco ACI(Application Centric Infrastructure)を用い、ネットワークの制御を図った。これにより、構成がパターン化された小規模ネットワークについては、特定のパートナー企業に依存せず構築可能となり、その結果、構築コストを削減できたという。

 また、Cisco ThousandEyesを導入することで、ネットワーク環境全体のエンドツーエンドの可視性を確保できるようになり、これまで現場からの連絡を受けるまで気付くことができなかった、トランザクション集中による通信遅延などの不具合を、速やかに特定できるようになったとしている。