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NECとNEXCO中日本、除雪車の梯団走行時の自動運転実現に向けた技術開発に着手

 日本電気株式会社(NEC)は26日、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)と共同で、除雪車の梯団(ていだん)走行時の自動運転実現に向けた技術開発に着手したと発表した。2024年度内を目標に、自立走行技術や車間距離の保持技術の完成を目指し、試験走行や検証などを実施するとしている。

 高速道路では、降雪時でも安全に利用できるように、吹雪による視界不良などの悪条件のなか、除雪車の梯団走行によって複数車線の除雪作業が行われている。こうした梯団走行(複数の車両が連ねて走ること)による除雪作業では、除雪車の先頭車両と後続車両が一定車間距離を保ちつつ、前面に装着した排雪板を少し重ねて走行する必要があるため、除雪車1台につき、熟練した運転技術を有する者と除雪操作装置や周囲確認等を行う者の計2名が乗車しているという。

梯団走行による除雪作業

 しかし、高齢化や労働人口減少によって除雪車の運転技術者の担い手不足が顕在化していることから、今回、除雪車の梯団走行に関する少人化・省力化を目的とした自動運転の実現に向け、技術開発に着手した。

 この取り組みでは、1)各除雪車が異なる走行軌跡を自立走行する「自立走行技術」と、2)後続車両が先行車両と異なる軌跡を適切な車間距離を保ちながら走行する「車間距離の保持技術」の、大きく2つの技術開発を実施する。

 一般に、除雪車は除雪作業開始前に隊列走行状態から梯団走行状態に展開し、梯団走行による除雪作業を行い、除雪作業終了後に梯団走行状態から隊列走行状態に収束する。

梯団走行の展開と収束のイメージ

 隊列走行では、先行車両の後ろを後続車両が同じ走行軌跡を追従する技術(電子牽引)が用いられていたが、梯団走行は各車両の走行軌跡が異なる。そこで1)では、全車両が高精度な衛星測位によって自車位置を正確に把握するとともに、道路線形データにより、車両ごとに異なる走行軌跡を自立走行することを可能にするとした。

 一方、隊列走行では、LiDAR(光検出と測距)により先行車両との距離を計測し、車間距離を計測しながら、追従技術との組み合わせで車間距離制御を行っている。ところが除雪時には、LiDARは雪の反射によって正確な距離計測が困難になることが想定されているという。

 そこで2)では、車車間通信のデータを用いることにより、各車両の位置、速度といった車両相互の位置関係を把握し、適切な車間距離を保ちながら梯団走行を可能にするとしている。

 なお現在は、隊列→梯団→隊列の走行形態における先頭車両のハンドル操舵と、2番目・3番目車両のハンドル操舵・速度制御について、人の手を介さずプログラム制御する試験走行を開始しているとのこと。