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Hitachi Digital Services、生成AIの開発・運用フレームワーク「R2O2.ai」を提供

 株式会社日立製作所の米子会社であるHitachi Digital Servicesは現地時間8日、Reliable(信頼性)、Responsible(責任性)、Observable(観測性)、Optimal(最適性)を実現する、生成AIの開発・運用フレームワーク「R2O2.ai」を提供開始すると発表した。Hitachi Digital Servicesが海外向けに提供するもので、日本での提供は未定。

 R2O2.aiは、AIワークロードの構想から大規模な展開までのギャップを埋めることを目的として設計され、信頼性、責任性および観測性に優れたAIモデルを提供する。

 また、R2O2.aiは、信頼性、レジリエンス、セキュリティ、コスト効率に優れたシステムの構築と運用を支援するエンジニアリングサービス群「Hitachi Application Reliability Centers(以下、HARC)」のさらなる拡大にも貢献するとしている。

 R2O2.aiは、Hitachi Digital Servicesの20年以上にわたるAIソリューションの導入経験を生かし、業界共通の課題解決に取り組み、AIの導入を加速させるために構築された25以上のカスタムモデルの包括的なライブラリで構成される。そのアプローチとフレームワークは、効率的なデータ適応を可能にし、モデルの再利用性を最大限に高めると同時に、より目的に特化したソリューションの展開を可能にする。

 この合理化されたプロセスにより、これまで数カ月かかっていたPoCから本番稼働までの移行が、数週間でシームレスに完了すると説明。さらに、R2O2.aiは、ビジネスや業界の重要な課題に対応し、業務効率を高め、ダウンタイムを削減し、倫理基準の順守を可能にするAIモデルを導入するための包括的なソリューションを提供するとしている。

 Hitachi Digital Servicesは、エネルギーから交通、環境保護などさまざまな業界の顧客に、AI/ML(機械学習)ソリューションを効果的に導入してきたと説明。例えば、米国最大手の車両運行会社では、R2O2.aiの高度なアナリティクスを活用し、車両の故障を事前に予測し、修理の指示を行うことで、車両全体のダウンタイムを削減したという。

 英国のあるスマート化された病院では、R2O2.aiで開発したITとOT、MLを活用したモデルを導入し、入退院を予測するインテリジェントな患者管理センターを実現。これにより、退院までの時間を大幅に短縮し、ベッドスペースの管理と患者ケアを改善できた。

 また、200億ドル以上の資産を運用する大手プライベートエクイティファームでは、Hitachi Digital Servicesの生成AIソリューションによってM&Aプロセスを大幅に効率化。コンテキストに特化した検索機能を使用してCIMの要約やコンテンツの補強作業を自動化することで、60%時間を短縮して買収の概要書の提供ができるようになったという。

 日立は、数十年にわたりAIイノベーションにおけるリーダーとして、最近では2023年に開設したGenerative AIセンターのような画期的な取り組みを通じて、さらなる革新を推進し続けていると説明。日立グループにまたがるボーダーレスなイノベーションにより、Hitachi Digital Servicesはグループ内の他の取り組みと積極的に連携するとしている。