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米Oracleが「Java 23」をリリース、パフォーマンスや安定性・セキュリティ面を改良

 米Oracle(以下、オラクル)は現地時間17日、プログラミング言語「Java」および開発プラットフォーム「Oracle JDK」の最新バージョンとなる、Java 23(Oracle JDK 23)を発表した。

 オラクルでは、Java 23ではプラットフォームのパフォーマンス、安定性およびセキュリティ面での数千もの改良により、開発者の生産性をさらに向上させ、組織全体のイノベーションと成長を促進するとしている。

 最新のJDKでは、12のJDK Enhancement Proposal(JEPs)によるアップデートと改良が行われている。

 言語機能の改善を進める「Project Amber」では、「JEP 455:プリミティブ型のパターン、instanceof、switch(プレビュー)」「JEP 476:モジュール・インポート宣言(プレビュー)」「JEP 477:暗黙的に宣言されたクラスとインスタンスのメイン・メソッド(第3プレビュー)」「JEP 482:柔軟なコンストラクタ本体(第2プレビュー)」の各機能が提供される。

 ライブラリでは、「JEP 466:Class-File API(第2プレビュー)」「JEP 469:Vector API(第8インキュベーター)」「JEP 473:Stream Gatherers(第2プレビュー)」「JEP 480:構造化された並行性(第3プレビュー)」「JEP 481:スコープ値(第3プレビュー)」の各機能が提供される。

 また、パフォーマンスおよびランタイムに関する更新では「JEP 474:ZGC:世代別モードのデフォルト化」が、ツールでは「JEP 467:Markdownドキュメント・コメント」が、スチュワードシップでは「JEP 471:sun.misc.unsafeのメモリアクセス・メソッドを削除を予定した非推奨に設定」がそれぞれ提供される。

 オラクルでは、開発者向けの新しい機能や機能強化に加えて、Java 23は組織にもさらなる価値を提供すると説明。例えば、Java 23は、Java Management Service(JMS)9.0の最新の一般提供版でサポートされる。JMS 9.0は、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」のネイティブサービスで、統合コンソールとダッシュボードを提供することで、組織がオンプレミスまたはあらゆるクラウド上のJavaランタイムとアプリケーションを管理できるようにする。また、JMS 9.0では使いやすさが向上している。

 Oracle JDK23には、Javaで記述され、バイトコードを最適化されたマシンコードに変換する動的JIT(ジャストインタイム)コンパイラであるGraalコンパイラが追加されている。これにより、よりきめ細かな調整とピークパフォーマンスの向上を実現するオプションが提供されるとしている。