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マクニカとシーメンス、国内製造業のDX実現に向け協業

クラウドベースのPLMおよび製造実行システムの社会実装で業務提携

 株式会社マクニカは27日、製造業DXを推進するため、国内製造業DX実現に向けたクラウドベースのPLM(Teamcenter X)および製造実行システム(Opcenter)を含む、シーメンスXceleratorプラットフォームソリューションの社会実装で業務提携を行うことに合意し、協業を開始すると発表した。

 マクニカでは、日本の製造業が競争力を維持していくためには、組織全体でのデータの連携を可能にし、異なる部門や業務間の壁を取り除き、経営層から生産現場までリアルタイムでデータを共有して、意思決定のスピードを向上させることが不可欠だと説明。マクニカが顧客と変革を支援する経験の中で、抜本的な改革を行うには製品ライフサイクル全体でのデータ連携と、それを生かす業務プロセスが必須という結論に達したとしている。

 そこで、マクニカでは、クラウドベースのPLMの活用に注目。近年、PLMの活用自体はDXの抜本的な打ち手として注目されてきたが、実際の検討、構築、実装、運用には相応の人材・リソースを用意する必要があり、導入には一定のハードルが存在するという。

 このため、より多くの企業がPLMを使いこなし、製品ライフサイクル全体の効率化・品質向上・競争力と顧客満足の向上を行えるように、Teamcenter Xのクラウドベースの柔軟性、スケーラビリティと拡張性、リアルタイムのコラボレーション、セキュリティとデータ管理と合わせて、シーメンスが長年にわたり研究・実践してきた、業界・業態に合わせたベストプラクティスに裏打ちされたさまざまなテンプレートを使うことで、導入コスト・期間のハードルを下げることが、DX成功の効果的な打ち手になるとしている。

 さまざまなシステムの連携を可能にするローコードプラットフォームのMendixと、Teamcenter Xを掛け合わせることで、シーメンスのベストプラクティスと、標準化がどうしてもできない競争領域・独自機能の実装と、継続的なアップデートも可能にする。特に、今までPLMなどITシステムをFit to Standardで導入することが難しかった、生産用設備機器などエンドユーザーのニーズに対して、複雑なバリエーションのオプション提供や長期での保守パーツの提供、性能向上のための改造がある中量産市場において、導入ハードルを下げることを可能にする。

 また、デジタルツインの実現には、設計と製造をつなぐMES領域の支援、さらにはソフトだけではなく、それを実行するハードの支援も欠かせないと説明。マクニカは、シーメンスが提供するOpcenterを中心にMES領域の導入支援、実装を支援してきた実績に加え、半導体やセンシングデバイス、GPUなど最新のコンポーネントの提供・技術支援の強みを掛け合わせることで、CPS(Cyber Physical System)を実現するためさまざまな要素を組み合わせて実装できるとしている。

 Siemens Digital Industries Softwareは、ソフトウェア、ハードウェア、サービスを通じて、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援している。シーメンスの包括的なデジタルツインを活用することで、企業は設計、エンジニアリング、製造プロセスを最適化し、今日のアイデアを持続可能な製品に変えることを可能にするとしている。

 提携内容のうち、コンサルティングサービスでは、目的設定・課題抽出、Fit&Gap分析とTo Beモデル検討、プロジェクト計画策定サポートを提供。システムインテグレーションサービスでは、OOTB導入と環境構築、TCX実装と初期運用確認、既存データ移行サポート(移行ツール開発:Option)を提供する。また、オペレーションサポートサービスでは、システム普及サポート・トレーニングを提供する。