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キヤノンITS、「西東京データセンター」で液冷方式に対応するサーバー冷却サービスを提供

西東京データセンター

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は31日、同社が所有・運営する「西東京データセンター」で、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)環境に向けた液冷方式によるサーバー冷却サービスを12月に提供開始すると発表した。

 キヤノンITSでは、AIソリューションの活用や画像を含む多量のデータ処理などの用途に向けた高性能サーバーへの需要の高まりを受け、サーバーメーカーは、より高性能なGPUサーバーやHPCサーバーの開発に注力しており、その結果としてサーバー能力が向上し、稼働時の発熱量が大幅に増大していると説明。こうした状況から、サーバーを冷却する方式として、従来の空冷方式と比べて、より効率的な冷却が可能な直接液冷方式(Direct Liquid Cooling)を採用した製品の普及が急速に進んでいるという。

 こうした液冷方式のサーバー需要に対応するための設備構築を12月までに完了し、従来よりも高効率なサーバー冷却を可能とする新たなハウジングサービスを提供開始するとしている。

 サービスでは、大容量電力使用に対応した給電方式により、超高負荷の直接液冷方式サーバーであっても安心して運用できる環境を提供する。データセンターファシリティスタンダードで最高ランク(ティア4)の安全性を備えたデータセンター設備をベースに、液冷サーバーへの冷水供給にループ配管方式を採用。障害発生時でも当該部分を安全に切り離すことが可能で、他のシステムに影響がない構成としている。

 データセンター設備とITシステムの運用実績とノウハウを生かし、顧客の安定したシステム運用をサポートする。また、ハウジングサービスだけでなく、ホスティング/システム運用保守サービスを提供し、顧客の運用負荷の軽減にも貢献するとしている。

 キヤノンITSは、今後も西東京データセンターにおいて最新技術を取り入れたサービスの拡充を進めると説明。先進的でビジネス環境の変化に柔軟に対応するソリューションを提供することで、顧客の多様なニーズに応えるとともに、信頼性の高いデータセンター運用に貢献していくとしている。