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農林中央金庫、BIPROGYが提供するパブリッククラウド環境でのフルバンキングシステム「BankVision on Azure」を稼働開始

 BIPROGY株式会社は17日、BIPROGYが提供するパブリッククラウドを活用したフルバンキングシステム「BankVision on Azure」を農林中央金庫が採用し、同サービスを利用した基幹系システムの稼働を7月16日に開始したと発表した。パブリッククラウド環境でのフルバンキングシステム稼働は、全国金融機関では初めてだという。

 農林中央金庫は、2020年9月から基幹系システムとして、Windows上で稼働するオープン勘定系システム「BankVision」を採用している。今回、BankVisionが持つ安定性や高信頼性といった特徴はそのままに、高い柔軟性、拡張性およびコスト優位性実現のため、Microsoft Azureへ移行し、稼働を開始した。

 同金庫は、農林水産業の持続的な発展の実現のため、多様なITデジタルを活用した新たな価値創造に向けて挑戦を続けていくと説明。また、ITデジタルの急速な発展や消費者の購買行動変化など、非連続な環境変化への対応のため、ITデジタル・データ利活用の浸透を通じた新たなビジネス価値の創造と生産性向上、変化にチャレンジする柔軟で強靭な組織の実現にも積極的に取り組んでいくとしている。

 また、BankVisionのMicrosoft Azureへの移行に合わせ、営業店システム(BANK_FIT-NE)やサービスゲートウェイ(内部向けAPI公開基盤)、外為システムなどの基幹系周辺システムについてもMicrosoft Azureへの移行を実現し、クラウド利用によるメリットの最大化を図っている。

 パブリッククラウドであるMicrosoft Azureを稼働基盤として採用し、セキュリティ・拡張性の向上に加え、基盤更改のコスト抑制を実現。ミッションクリティカルな領域において安定稼働をし続けながら、最新テクノロジーをキャッチアップし、着実に進化し続けるとしている。

 基盤リソースの増強においてハードウエアの調達は不要で、業務量の増加や業務範囲拡張が求められる局面においても柔軟に対応でき、利用料金も従量課金制であることから、リソース増減において効率的な投資対効果を生み出せると説明。また、スピード感・自由度のある環境構築・開発の実施が可能となるため、競争力強化を目的とした迅速な顧客サービスの展開を可能にする。

 オープンAPIプラットフォーム「Resonatex」との連携により、セキュアな環境下でのオープンAPI公開を低コストかつスピーディーに実現でき、異業種およびFintech企業などとAPI接続することで先進的なサービスを実現し、金融業の高度化を図るとしている。

 さらに、顧客のITガバナンスを保ちつつ長期的に利用していくために、システムの機能だけではなく、確実に導入や移行するためのプロジェクト運営や、内製化に向けた要員教育、運用フェーズでの安定したサービス、さらに制度改正に対するエンハンスサービスを提供する。

 BIPROGYは、マイナンバーなど法改正に係る安定的なサービス提供に向けた対応と合わせて、サイバーセキュリティーやBCP対策の強化、APIのラインアップ拡充など、BankVisionの高度化や機能拡張を進め、顧客の「攻め」と「守り」のIT戦略実現を支援すると説明。これにより、農林中央金庫が目指す農林水産業の発展、環境変化への対応に向けて伴走していくとしている。