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マクニカ、メッシュネットワークを低コストで構築できる米Rajantの通信機器を提供

 株式会社マクニカは11日、米Rajantと正規パートナー契約を締結し、メッシュネットワークを低コストで導入できる通信機器「BreadCrumb(ブレッドクラム)シリーズ」およびそれに関連したソフトウェアを提供開始すると発表した。

 マクニカでは、これまで多種多様なモビリティの開発や運行を支援するため、データをクラウド環境で可視化したり、分析や解析を行ったりするためのプラットフォーム「マクニカモビリティデータプラットフォーム(以下、MMDP)」の開発に注力してきたと説明。MMDPの開発にあたっては、通信インフラの構築が重要なポイントとなり、離れた場所で稼働するモビリティを遠隔で管理・制御するためには、安定したインターネット環境の構築が必要不可欠だとしている。

 しかし、これまで多く使われてきた通信インフラであるLTEやWi-Fi回線では、障害物の多い場所で通信の接続が途切れてしまったり、そもそも接続ができなかったりといったリスクがあり、不安定な環境では運行管理に支障をきたす可能性もあると説明。また、クライアント端末が接続するベースステーションやアクセスポイントに対して距離の制限があり、広範囲でネットワークを構築するためには、それらの数を増やすことが必要だといった課題がある。

 今回、取り扱いを開始した「BreadCrumbシリーズ」は、大容量データを途切れずに継続して通信可能な、Rajantのダイナミックなメッシュネットワークを構築できるシステム「Kinetic Mesh」を活用することで、安定したネットワーク環境の構築を実現する。また、それぞれの端末がクライアントとインフラ両方の役割を果たすため、動的な無線メッシュネットワークを容易に構築できる。

 セキュリティの確保も、パケット暗号とMACアドレス暗号双方の設定が可能で、デバイスや直接メッシュネットワークにアクセスする人々のパケットを保護する。Kinetic Meshはミリタリーグレード、政府グレードのセキュリティ機能を備え、ネットワーク全体でエンドツーエンドの情報保証を提供する。BreadCrumbは、車両開発におけるテストコースでのデータ収集や、柵や棚など障害物が多い物流倉庫内での自動搬送ロボットの運行管理、鉄道の駅や空港、通信状況の悪い鉱山の採掘現場など、さまざまな場所や用途での導入実績がある。

 マクニカは、これまで標準的に活用してきたLTEやWi-Fi回線に、Rajant製品を選択肢に加えることにより、トンネルなど通信が届きにくいエリアなどにおいても、堅牢なネットワークを構築するケイパビリティを拡充するとしている。

 マクニカでは、オリジナルの自動運転EVバスの運行管理における遠隔監視システム「everfleet」を提供しており、everfleetを用いた運行管理ソリューションや、自動運転・自律動作に対応したモビリティの提案も可能となっている。今後は、これらマクニカのソリューションとBreadCrumbシリーズを組み合わせることで、安定した通信インフラと一貫したシステムの構築をワンストップで提供するとしている。