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パナソニック コネクト、製造業向け共創ラボ「AI Inspection Lab」をリニューアル

触覚・聴覚をデジタル化するAIを活用したセンシングソリューションを参考展示

 パナソニック コネクト株式会社は17日、現場ソリューションカンパニー 名古屋オフィス(名古屋市東区)にある、製造業向け体験型共創ラボ「AI Inspection Lab」をリニューアルオープンしたと発表した。

 AI Inspection Labは、自動車メーカーを中心とする製造業の企業を対象に、検査工程の課題に対するAIセンシング技術の検証を最短1日から行える場として、2022年11月に開設された。同社によれば、すでに年間約60社を超える製造業の企業が来場し、累計で100件以上の検証を実施しているとのことで、なかには実際の製造現場に導入されている実績もあるという。

 今回のリニューアルでは、製品品質の良否判定をデジタルで実現する、AIを活用したセンシングソリューションの展示を拡張し、従来の視覚のデジタル化に加えて、来場した企業から要望の多かった、聴覚や触覚のデジタル化に関するセンシングソリューションを追加したほか、検査工程の検証・導入で培ったノウハウを生かし、工場内物流に適用するセンシングソリューションの展示を追加した。

 前者の視覚のデジタル化では、外観検査において、高精細一眼カメラの画像より、大きな製品における文字や小さな傷の検知、微妙な色の違いをAIによって識別し、見逃しを防ぐソリューションを展示していた。

 これに対して今回は、嵌合(かんごう)時の振動を触覚センサーで検知し、波形より正常に嵌合できているかを判定することで、ショートや断線を引き起こす嵌合不良を防ぐ「コネクタ嵌合判定」と、正常時の設備の音と異なる音を検知し、設備の異常をいち早く検知する「異音検知」の2つを参考展示する。

異音検知(参考展示)

 一方の工場内物流向けでは、検査の前後で発生する製品の移動や保管のプロセスで、生産性の高い現場を実現するAIを活用したセンシングソリューションを紹介する。こちらについては、カメラ画像で荷物に記載されているラベルを検知し、ラベル内の文字やQRコードを読み取る「ラベル読取」と、カメラ画像でかご台車に積まれた荷物の高さを検知し、最適な積載量となるよう注意喚起することで荷捌き業務をサポートする「積載量検知」の2つを参考展示するとのこと。

工場内物流向けのセンシングソリューション(参考展示)