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NTT東日本 神奈川事業部やフルノシステムズ、IIJなど4者、芦ノ湖にてLPWA通信を活用した実証を開始

802.11ahとLoRaWANを利用し、デジタル監視や水温センシング管理を実施

 東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本) 神奈川事業部、株式会社フルノシステムズ、株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)、芦之湖漁業協同組合の4者は16日、芦ノ湖における監視・管理を効率化かつ強化するため、新たなWi-Fi規格であるIEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)を活用したデジタル監視と、IEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)とLoRaWANのLPWA(Low Power Wide Area)通信を活用した水温センシング管理による実証を、4月19日から開始したと発表した。実証は芦ノ湖湖岸にて、5月31日まで行われる予定。

 神奈川県内最大の湖である芦ノ湖は、ニジマスやブラウントラウト、ヤマメ、わかさぎなどの釣り場としても有名であり、芦之湖漁業協同組合では、同湖における限りある漁場資源の保護と遊漁者同士のトラブルを防止するため、漁業規則を定めている。しかし、届け出を行わない不法操業者が多く存在することから、それらを早期発見するための巡回監視が必要不可欠となっているという。

 また芦之湖漁業協同組合は、遊漁者に対して湖水の水温状況を提供しているものの、その水温計測にかかる稼働負担が課題になっているとのこと。

 一方でNTT東日本は、畜産場や都市型農場(圃場)をフィールドに802.11ah(Wi-Fi HaLow)を活用した実証を行っているが、より遠距離の通信環境下での検証が必要となっていた。

 そこで今回、LPWA通信のノウハウを持つフルノシステムズ、IIJの両社と連携し、芦ノ湖における監視強化および管理稼働効率化を目的に実証を開始することになったという。

 実証では、802.11ah(Wi-Fi HaLow)によるカメラ監視にて、監視カメラの人物検知やモーション検知を活用した、違法・不法操業者の監視を実施するとともに、1km以上離れた対岸との映像データの通信状況を把握する。また、802.11ah(Wi-Fi HaLow)とLoRaWANによる水温センシング計測を行い、水温センサーを活用したWebサイトでの情報提供を運用する。

 なお今回の実証において、NTT東日本 神奈川事業部は、検証設計、機器設置、運用管理といった全体総括を担当。フルノシステムズが802.11ah(Wi-Fi HaLow)関連機器およびサービスの提供・運用を、IIJがLoRaWAN関連機器およびサービス提供・運用を、それぞれ担当する。また芦之湖漁業協同組合は、実証フィールドの提供と、監視・管理の運用稼働把握などを担うとした。