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「Oracle Alloy」が野村総合研究所のデータセンターで稼働開始

日本市場のクラウド要件に対応しながらOCIのサービス提供を可能に

 日本オラクル株式会社は16日、株式会社野村総合研究所(以下、NRI)のデータセンター内に「Oracle Alloy」の導入が完了し、稼働が開始したと発表した。Oracle Alloyは、生成AIサービスをはじめとする「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」の100以上のサービスの提供を可能にする。

 NRIによるOracle Alloyの導入は、金融SaaSを提供する基盤としての「OCI Dedicated Region」の成功に基づく、OCIの専用クラウドソリューションの拡張導入で、OCIの専用クラウドにより、金融統制やデータ主権などの日本市場における厳しいクラウド活用要件に対応しながら、パブリッククラウドの活用に慎重な企業へのクラウド活用の選択肢を拡充するとしている。

 NRIは、金融、小売りといった業界向けに展開する、ミッションクリティカルかつ大規模なビジネスプラットフォームのクラウド環境として、OCI Dedicated Regionを東京と大阪の同社データセンターに導入し、自社の統制下での運用を行っている。2021年7月から「BESTWAY」を東京データセンターで、2022年4月から「T-STAR」、2023年4月から「THE STAR」といった金融ソリューションサービスの基盤がOCI上に移行、最新化され、稼働している。

 OCI Dedicated Regionでの金融SaaSを最新化した成功により、金融機関を中心としたNRIの顧客企業では、金融統制に準拠し、データ主権が確保されている同社統制下のクラウドを利用する需要が高まっているという。特に、金融SaaSと連携するシステムをクラウド上で最新化、統合したいという要望に対応していく必要がある。

 Oracle Alloyは、NRIがこれらの顧客ニーズに対応し、OCI提供の選択肢に柔軟性を持たせ、既存のSaaS顧客企業だけでなく、幅広い業界への提供を可能にする。

 Oracle Alloyは、オラクルの顧客企業やパートナー企業が、新規サービスを迅速に構築し、クラウドプロバイダーとして特定の市場や規制要件に対応するという選択肢を提供する。また、ワークロードの設置場所、クラウドの運用方法、ブランディング、顧客ライフサイクル管理、ハードウェアなど、より柔軟にクラウドサービスをカスタマイズできる。

 NRIは、OCI Dedicated Regionと同様の高可用構成を実現するため、自社の東京、大阪データセンターの2拠点にOracle Alloyを導入し、サービス基盤を構築している。Oracle Alloyの導入により、自社でカスタマイズした独自サービスとともに、最新の生成AIサービスやクラウドネイティブ開発ツールを含む100以上のOCIサービス提供が可能になる。ネットワークやサイバーセキュリティなど、オンプレミスを含めたシステム環境をトータルで運営・監視するNRIのマネージドサービス「atlax」を組み合わせた利用が可能なため、顧客企業はシステム全体で最適な運用のもと、OCIのサービスを利用できる。