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Datadog Japan新社長、「オブザーバビリティ統合プラットフォームの国内トップベンダーになる」

 Datadog Japan合同会社は1日、事業戦略説明会を開催し、2月にプレジデント&カントリーゼネラルマネージャー 日本法人社長に就任した正井拓己氏が、2024年の注力分野やパートナー戦略について語った。

Datadog Japan プレジデント&カントリーゼネラルマネージャー 日本法人社長 正井拓己氏

 現在Datadogは、クラウド向けモニタリングとセキュリティプラットフォームを提供する企業として2万7000以上の顧客を抱え、モニタリングしているホストの数は100万台以上、昨年のサブスクリプションの年間経常売上は対前年比30%増の約20億ドルにのぼるなど、順調に成長している。その背景として正井氏は、「企業のクラウドへの移行と、デジタルトランスフォーメーションの進展が大きな要素だ」と述べ、「今後一層ビジネスのデジタル化が進むにつれ、それを支えるクラウドへの投資も加速するだろう」としている。

Datadogについて
Datadogの急速な収益成長

 また正井氏は、Datadogのポートフォリオも拡充しているとして、「現在はモニタリングツールだけでなく、複雑化するシステム環境の統合的な運用に必要なさまざまな機能を、開発、セキュリティ、運用のライフサイクルにわたってカバーしている。AIや機械学習の機能も活用し、統一されたプラットフォームでインフラの監視からアプリケーションパフォーマンス監視、ユーザー監視やログ管理、セキュリティ、開発者エクスペリエンスまで、エンドツーエンドのオブザーバビリティ(可観測性)を提供している」と説明した。

Datadogのプラットフォーム

 日本においてもDatadogのビジネスは順調だと正井氏。その背景にある日本での導入トレンドは5つあるという。そのひとつは、クラウド化の進展と統合運用ニーズの拡大だ。「運用対象のシステム環境が多様化し、さまざまな環境を統合的に運用管理するニーズが高まっている」と正井氏は話す。

 2点目は、管理ツールの乱立と運用スキルの複雑化だ。システムや部門ごとに導入された運用管理ツールが乱立し、コスト、リソース、そしてリスク管理といった観点からも、これらをまとめて運用管理する必要性があると正井氏。

 3点目は、システム運用とサービス開発のシームレスな連携が求められるようになってきたことだ。DXの進展によって内製化が進み、DevOpsのニーズが顕在化しているという。

 4点目は、システム横断的なセキュリティ管理の必要性だ。ビジネスのデジタル化や基幹システムのクラウド移行に伴い、統合的なセキュリティ管理が大きな課題になっているという。

 そして5点目は、国内データセンターソリューションの需要が増加していることだ。特にこれまでオンプレミス環境でシステムを運用することが多かった金融や通信業界などで、国内にデータセンターを持つシステム管理ソリューションが求められているという。

日本におけるDatadogの導入トレンド

 Datadogは、2023年4月に国内データセンターを開設しており、「日本市場に強いコミットメントがあるDatadogは、こうした要件を総合的に満たすことが可能な数少ないプラットフォームだ」と正井氏は主張。「国際規格や国内法に準拠した国内データセンターの開設により、特に金融業界での導入が日本でも加速している」と語る。

国内データセンターの開設

 2023年8月には、日本法人の組織拡大に伴い、新たな東京オフィスもオープンした。日本語での技術ドキュメントや製品サポートも用意し、サポートチームも国内で展開、チャットによる対応もスタートした。2月には、日本語で認定プログラムを開始することも発表している。「今後は製品だけでなく、日本の顧客のニーズに沿ったさまざまなサポートやサービスのローカライゼーションを積極的に進めていきたい」と正井氏は述べている。

 日本市場では、2020年から2023年の3年間における対前年比の売上成長率の平均値が43%増となり、社員数が対前年比平均46%増、パートナー事業による売上成長率が対前年比平均36%増になったと正井氏。この成長を続けるためにも、「2024年も日本市場へのコミットメントに積極的に取り組む」としている。

 具体的には、まず市場カバレッジの強化に向け、これまでのエンタープライズおよびコマーシャル市場向けのセールス組織に加え、新たにミッドエンタープライズ担当組織を設立する。また、導入製品や適応範囲の拡大と全社基盤化に向け、対象システムの拡大だけでなく、導入製品を横展開してDatadogを全社プラットフォームとしてもらうことを目指す。

2024年の重点戦略

 国内でのパートナーシップも強化する。「まず、AWS、Google Cloud、Microsoft Azureといったクラウドサービスプロバイダーとのグローバル戦略パートナーシップを通じ、日本市場におけるオブザーバビリティの裾野を広げたい。また、コンサルティングやSIなどのパートナーとは、顧客のDX戦略や業界特有のベストプラクティスを提供し、Datadogプラットフォームの導入や運用支援を含めた付加価値ソリューションを共同で提供していきたい。そして、クラウド基盤の技術や専門性を持ち、マルチクラウド環境の利活用提案に長けたクラウドネイティブパートナーとの連携を強化し、中小企業から大企業まで幅広い顧客を支援していきたい」と正井氏。さらには、顧客事例の発信やコミュニティ活動の強化などを通じ、日本市場でのプレゼンス向上にも取り組みたいとしている。

日本におけるパートナーシップ

 「Datadog Japanとしての目標は、日本市場において名実ともにナンバーワンのオブザーバビリティ統合プラットフォームベンダーになること。これが、日本法人社長としての私の使命だ」と正井氏は述べた。