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PwC税理士法人とPwC弁護士法人、生成AIを活用した企業の業務改革支援を強化

 PwC JapanグループのPwC税理士法人およびPwC弁護士法人は26日、生成AIを活用したクライアント企業における税務・法務業務の改革および業務の価値創出を図る支援を強化すると発表した。

 税務および法務の分野は、特にその専門性の高さゆえに、人材不足に起因した生産性向上の必要性が高まる傾向が見られ、日々進化する生成AIとその活用に対する関心が高まっていると説明。例えば税務では、デジタル課税のGloBEモデルルールを筆頭に、税法や関連規制がますます複雑化しており、その変化への対応にあたり業務に一層の効率性・効果性が求められ、特に税務申告業務においては、報告が義務付けられる情報量が増えて煩雑化しており、それに伴う大量データの取り扱いプロセスも実務課題となるなど、多様な背景から業務量が増加し続けているという。

 こうした状況を受け、PwC税理士法人は、生成AIを活用する「人」にフォーカスした支援を通じ、人材育成や業務改革の風土醸成という企業課題の解決に向け、新たな取り組みを開始すると説明。また、PwC弁護士法人は、税務領域を含めさまざまな場面での生成AIの活用拡大に伴う法的観点のリスク・留意点について、多角的に分析・検討し、生成AIの導入・活用等に際して法的観点からのコンサルティングサービス提供を強化するとしている。

 両法人による取り組み・サービス提供は、2023年4月にPwC Japanグループが発表した、生成AIを活用したビジネス改革のコンサルティングサービスにおける税務・法務それぞれの領域での支援を強化するものとなる。

 また、今回の支援の強化をもたらす要因として、日本だけでなくPwCグローバルネットワークのさまざまな法人が取り組み、蓄積してきた生成AI関連の知見の活用も大きく寄与しているという。

 PwCグローバルネットワークでは、2023年3月にOpenAI Startup Fundが支援する生成AI企業Harveyとグローバル提携。2023年10月には税務・法務サービス領域における生成AI基盤モデルの構築・展開を目的とし、AIの研究・開発企業であるOpenAIおよびHarveyとの戦略的提携を発表。2024年2月には、PwC英国が税務AIアシスタントツールをHarveyおよびOpenAIとともに発表。PwC英国の全税務プロフェッショナルに対し税務の学習済みAIモデルを先行配布し、クライアントへのサービス提供ツールの一環として機能。今後、クライアントの税務部門における本ツールの直接的な活用方法についても検討進行している。

 PwC税理士法人およびPwC弁護士法人では、これらの取り組みを通じて、日本においても今後のクライアント支援サービスの品質向上を視野に、法制度の要約や文書作成への応用に向けた検証など、税務・法務を含むさまざまなユースケースでの利活用の検討を進めていると説明。特に、煩雑な税務申告業務を含めた税務領域において、クライアントに向けた生成AI活用支援を見込んでいる事例として、「社内文書の分析と課税関係の検討」「税務申告書の品質向上」「税務当局に提出する各種文書および社内レポート作成支援」「社内ナレッジ共有」を挙げている。

 こうした検証の取り組みで得られた知見を、クライアントへの生成AI活用支援に反映させ、クライアントに意義のある生成AI活用に向けた伴走支援を行うことで、一層実務に即した生成AIの活用による税務・法務業務の改革と、価値創出に向けた取り組みを推進していくとしている。