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BlueMemeと九州大学、医療や物流などへの適用を視野にネットワークAI統計解析基盤の研究開発を開始

 株式会社BlueMemeは12日、国立大学法人九州大学が設立した「ネットワークAI統計解析共同研究部門」に、ネットワーク統計の専門家である藤田アンドレ教授が12月1日に着任し、ネットワークAI統計解析の研究開発を本格始動したと発表した。

 同部門では、主にバイオメディカル分野において、藤田教授を中心とした研究陣がネットワークAI統計解析技術の研究開発に取り組む。さらに、これらの技術を物流などのネットワークに応用することで、情報の分断を解消し、社会問題の解決と最適化に向けて前進するとしている。

 BlueMemeでは、近年、ノード(点)とエッジ(接続)で構成され、個体とその関係を表現する「ネットワークデータ解析」が科学、ビジネス、社会のさまざまな分野で重要性を増していると説明。一方、ネットワークは複雑かつ多様な構造を持っているため、その理解は容易ではなく、ノードとエッジの多様な関係やネットワーク全体の複雑なパターンを解明するためには、新たな可視化手法や分析手法の開発が必要となり、また、ネットワーク内の構造やパターンを具体的な意味やプロセスに結びつけることは難しく、手法が不足しているという。

 こうしたネットワークデータの解析手法が少ない中で、BlueMemeは「ネットワーク統計」に注目した。ネットワーク統計とは、ネットワークを統計的な枠組みで客観的に解釈し、その中で特徴量を統計量として抽出・解析する手法となり、メカニズムの解明が可能で、計算が速く技術的にも優れており、多数の論文が執筆されているため、理論的にも保証がある。

 藤田教授は、ネットワークデータに対するグレンジャー因果性検定やt-検定をはじめとした理論を構築し、ネットワーク統計の地平線を切り開いていると説明。これらの成果は、米国や英国、ドイツなどで賞を受けるなど国際的に評価されており、加えて藤田教授が開発したネットワーク統計解析のソフトウェアは、GPUなどの計算能力の向上により、ネットワーク構造の分析をさらに高速に実施できることから、早期にさまざまな分野の社会インフラへの統合が可能としている。

 BlueMemeは今後、バイオメディカル領域のネットワーク構造解析に焦点を当てた研究に取り組むと説明。この研究を通じて得られるネットワーク統計の洞察を生かし、AIと組み合わせたネットワークAI統計の解析プラットフォームを構築する。また、これまでのアジャイル手法の実践的ノウハウを積極的に取り入れ、ネットワークAI統計技術をより迅速に社会展開していくとしている。