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SRA OSS、PostgreSQL 15ベースの商用版「PowerGres V15」 論理レプリケーションの性能向上などを実現

 SRA OSS合同会社は1日、オープンソースデータベース「PostgreSQL」の商用版「PowerGres」をバージョンアップし、PostgreSQL 15ベースの「PowerGres V15」を提供開始すると発表した。

 PowerGresは、PostgreSQLにデータベース操作ツールやサポートなどを追加した製品。今回はWindows向けの「PowerGres on Windows」と、Linux向けの「PowerGres on Linux」において、PostgreSQL 15をベースにした新版を提供する。PowerGresでは、PostgreSQL 13ベースの「V13」以来のリリースとなるため、PostgreSQL 14/15の新機能が取り込まれた。

 まず、ストリーム送信やバイナリ転送モードが新たに導入され、ロジカルレプリケーション(論理レプリケーション)の性能が向上した。行フィルタや列フィルタ、エラー発生時の自動サブスクリプション無効化といった機能も追加されている。

 また、マルチユーザー環境でデータベースの性能を向上させるMVCC(MultiVersion Concurrency Control:多版型同時実行制御)の仕組みでは、行をUPDATEすると、内部的にバージョンの異なる複数の行が生成されるため、HOT(heap only tuple)が適用できないインデックスの場合は、行の更新時にインデックスが肥大化してしまう点が問題だった。PostgreSQL 14からは、こうしたインデックスに行情報を追加する際に、古いバージョンに対してヒント情報を付与するようになったため、Btreeインデックスの肥大化が防止されるとした。

 このほか、対象テーブルの行の内容に応じてINSERT,UPDATE,DELETEが使い分けられるSQL文の「MERGE文」において、以前から対応していたPostgreSQL独自の構文に加えて、SQL標準のMERGE文をサポートしたとのこと。

 価格は、PowerGres on Windows V15/PowerGres on Linux V15ともに5万9400円(税込)。いずれも初年度のサポート契約が必須となり、そちらは年間9万6800円となっている。