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横河電機とNTT Com、製薬業界向けの製造管理パッケージ「CIMVisionPharms」をクラウドサービス化

共同利用型OTクラウドサービスの第1弾として提供

 横河電機株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は15日、医薬品工場における製剤から包装までの秤量(ひょうりょう)を含む各工程で製造実行管理を行える、横河電機の製造管理パッケージ「CIMVisionPharms(シムビジョンファームス)」において、クラウド対応版を販売開始すると発表した。両社で開発してきた「共同利用型OTクラウドサービス」の第1弾として提供する。

 横河電機ではこれまでも、製薬業界の企業に対して、PIC/SのGMPに準拠し、製剤から包装・出荷までの製造業務範囲をカバーした製造実行システムとしてCIMVisionPharmsを販売してきたが、今回は、2021年よりNTT Comと提携して進めてきた共同開発の成果として、このシステムをクラウドサービスとして提供する。

 クラウド版では、CIMVisionPharmsをNTT Comのデータ利活用プラットフォーム「Smart Data Platform」上に構築しており、システムの更改や機能拡充、リソース変更、制御内容の変更などに対応できるといった、クラウドならではのシステムの柔軟性を付加しつつ、高いセキュリティ環境を実現したという。

 また運用についても、NTT Comの「X Managed」を活用するため、利用企業は、事業所・工場内に設置されていたサーバーの保守・運用業務から解放され、管理業務負荷の低減が見込まれるとした。さらに、サーバー基盤のリソース変更にも柔軟に対応できることから、利用企業の事業変化に素早く追従でき、運用コストの適正化を実現するとしている。

 なお今後は、横河電機が販売している、製造業界向けの他のMESパッケージについても、クラウドサービス化について両社で検討する方針。また、リアルタイム性、可用性、セキュリティ要件が高度に求められる生産制御システムのクラウドサービス化と、それによるDXの加速についても、両社で検討を進めているとのことだ。