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SAPジャパン、SAP S/4HANA Cloudの最新リリースやRISE with SAPの新パッケージを発表

 SAPジャパン株式会社は26日、クラウドERP「SAP S/4HANA Cloud, private edition」の最新版である「2023リリース」や、SAP S/4HANA Cloudをベースとしたクラウドソリューション「RISE with SAP」の最新パッケージ「プレミアム・プラス・パッケージ」などを提供開始すると発表した。

 SAP S/4HANA Cloud, private editionは、利用企業各社が1つの環境を占有して利用する方式のクラウド型ERP。その最新リリースとなる「2023リリース」では、SAP ERP Central Componentの全機能を提供するだけでなく、財務、製造、保全、サプライヤーを単一のクラウドプラットフォームに統合し、最新のアーキテクチャに基づく業務部門向けアプリケーションを提供するという。また、リリースサイクルが2年となり、利用しやすいイノベーションと機能拡張が通常6カ月ごとに提供されるほか、保守期間も5年から7年に延長された。

 2つ目の「プレミアム・プラス・パッケージ」は、RISE with SAPの新たなパッケージで、AIテクノロジーとサステナビリティ、および高度なファイナンスソリューションが組み合わされている。

 AI関連では、AIコパイロットであるJouleの助けを借りて、ERPのための新しいAI機能を追加した。Jouleは、複数のシステムからデータを迅速にソートし、文脈化することで、よりスマートなインサイトを表面化するとのこと。

 サステナビリティでは、カーボンやその他のリソースをコアビジネスプロセスに組み込み、バリューチェーン全体でデータを計算・共有して、急速に進化する環境・社会・ガバナンス(ESG)報告基準に対応することで、より多くのサステナビリティに関するインサイトを提供する。

 さらにファイナンスでは、プランニング業務を合理化し、財務および非財務ビジネスユニットのデータによる予測精度を向上させるだけでなく、請求書管理と現金回収プロセスを強化するソリューションを活用することにより、財務リーダーがより迅速な意思決定を行えるようにするとしている。

 このほか、サプライヤーポータルを備えたネットワークERPを構築し、幅広いサプライヤーネットワークとの緊密な連携や、調達・請求取引の自動化により、支出コンプライアンスを簡素化できるとした。

 3つ目のアップデートとしては、利用企業のクラウド移行を支援するため、RISE with SAPへのコンバージョン&モダナイゼーションプログラムを立ち上げ、ツール、専門家によるサービスを提供する。

 具体的には、RISE with SAPの導入フレームワークによるコンバージョン計画の立案と、SAPR Signavio Process Insightsソリューションによるビジネスケースの構築を行う。また、SAP S/4HANA Cloudへの最適な移行方法を評価するために、専任のSAPエキスパートによる1対1のセッションを提供する無料サービス「SAP Customer Evolution kit」を提供。非常に短い時間枠の中で、パーソナライズされた実行可能な移行プランを提供するとした。

 加えて、RISE with SAPの利用企業向けに、SAP S/4HANA Cloudの最新リリースへのアップグレードをサポートするための専門家による支援を提供する、新しいサービスにも取り組んでいるとしている。