ニュース

IIJ、データセンター利用者に向け非化石証書を活用した実質再生可能エネルギー由来の電力を提供

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は12日、同社の白井データセンターキャンパス(以下,白井DCC)を利用する顧客向けに、FIT非化石証書を活用した実質再生可能エネルギー(再エネ)由来電力の提供を開始した。

 IIJでは、白井DCCにおいて同社のクラウドやネットワークサービスの設備基盤を運用するほか、顧客からIT機器を預かるコロケーションサービスを提供している。また、温室効果ガス削減に向けて、IIJでは「カーボンニュートラルデータセンターリファレンスモデル」を定義し、同社データセンターにおいて、オンサイト太陽光発電やリチウムイオン蓄電池の活用など、再エネの利用率向上、およびエネルギー効率向上に向けたさまざまな取り組みを推進している。

 こうした中、IIJは2023年4月から一般社団法人日本卸電力取引所の非化石価値取引会員に加入し、非化石電力のうちFIT制度(固定価格買い取り制度)を通して買い取られた電気の環境価値を証書にした、FIT非化石証書の購入および仲介ができるようになっている。今回、白井DCCを利用する顧客のうち、希望する顧客に対して、FIT非化石証書を活用した実質再生可能エネルギー由来の電力供給を開始する。

 再エネ由来電力の提供サービスを利用することで、顧客はデータセンター利用で生じるCO2排出量をオフセットでき、また、省エネ法で定められたエネルギー使用状況の定期報告や、非化石エネルギー転換についての中期計画書と定期報告、さらにRE100報告などへの活用も可能になる。

 サービスで提供する非化石証書の権利はデータセンター利用者に帰属し、環境価値を自社で利用できる。IIJが代理で環境価値調達を行うため、データセンターサービスの利用で生じるCO2排出量を手間なくオフセットできる。低コストで取引されているFIT非化石証書を活用できることに加え、データセンターの使用実績に応じた電力量内で任意量の入札が可能なため、顧客が必要とする電力量に合わせて柔軟に再エネ化を推進できる。

 また、IIJではサービスにおいて、2024年7月から、株式会社ディーカレットDCPが商用化する「DCJPY(仮称)ネットワーク(二層構造デジタル通貨プラットフォーム)」を利用し、環境価値をデジタルトークン化した上で、デジタル通貨で取引・決済できる機能を実装する予定。デジタル通貨での決済は、即時決済、取引のシンプル化、無形資産を価値化して交換できるなどの特徴があり、取引増加に伴う請求・支払い処理などの業務負担の軽減ができるほか、余剰となる環境価値を利用して他サービスを購入するなど、データセンター内外での活用なども図れるとしている。

白井DCC 2期棟イメージ