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CTC、AIを活用した製造業向け外観検査システム「Phoenix」を提供

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は2日、株式会社VRAIN Solutionと販売代理店契約を締結し、同社のAI画像検査システム「Phoenix」の提供を開始した。

 Phoenixは、AIによる独自の画像認識技術を活用し、製造業の外観検査での精度向上や省人化を実現するAI外観検査ソリューション。カメラやX線検査などの装置で撮影した部品・製品の画像をAIが解析し、傷・汚れ・変形・欠け・色ムラや異物の混入などを検出する。4種類の画像認識アルゴリズムを検査対象によって使い分け、対象物の形状や大きさ、色の構成などの特徴をAIが学習することで、検査の精度向上や省人化・無人化が期待できる。

 学習データの準備は、傷や異物などの検出対象をマウスで囲むだけで良く、誰でも同じ水準で外観検査が実施でき、属人化の防止にもつながる。ベルトコンベアや産業ロボットなどを制御する装置(PLC:Programmable Logic Controller)と接続できるため、既に稼働している生産ラインへの組み込みも迅速に行える。

 同時に提供を開始する、マイクや振動センサーのデータを画像化してAIで解析する異音・振動検査ソフト「Phoenix Analyzer」は、従来の検査では実現できなかったモーターの異常検知やファンの予知保全も可能にするため、生産設備の安定運用につなげられる。

 CTCは、工場の機械設備や人、作業工程などをコンピューター上で再現し、生産の最適化につなげるデジタルツインソリューションや、AI画像解析システム、データ解析基盤の提供で培ったノウハウを生かして、Phoenixの提供と共に、ITインフラの設計・構築、保守運用サービス、ローカル5Gネットワークの構築などで顧客の利活用をトータルに支援するとしている。

 Phoenixの価格は800万円(税別)から。CTCでは、機械・自動車・電子機器・化学・食品などのメーカーを中心に販売し、3年間で4億円の売り上げを目指す。また、今後は、Phoenixの検査データを活用した分析サービスの提供を視野に入れ、製造業の技術継承や製造品質の向上に貢献していくとしている。

Phoenixの画像認識アルゴリズムのイメージ