ニュース

NTTデータ、温室効果ガス排出量可視化ソリューション「C-Turtle」を中小企業に無償提供

 株式会社NTTデータは11日、Scope3算定を実現する、温室効果ガス(以下、GHG)排出量可視化ソリューション「C-Turtle」を、既に導入済みの企業と取引関係にある中小企業に対し、2024年1月から無償提供すると発表した。

 C-Turtleは、Scope3算定を実現するGHG排出量可視化プラットフォーム。一般的に、Scope3の算定は「活動量(企業の活動規模)」×「排出原単位(市場平均値)」で算定されることが多く、企業の削減努力を反映することが難しいという課題がある。

 C-Turtleは、Scope3の算定に、サプライヤーの排出量の実測値(一次データ)を活用し、サプライヤーの削減努力を自社排出量に取り込むことができる「総排出量配分方式」を採用。これにより、サプライヤーの排出量の可視化状況が明確になり、サプライチェーンを通じたGHG排出量の算定・削減の推進が可能となる。

 脱炭素化に向けて、GHG排出量可視化に多くの企業が取り組み始めているが、可視化にあたっては自社の排出量Scope1,2だけでなく、自社の活動に関連する他社の排出量Scope3の算定が求められている。一方、各産業におけるサプライチェーンにおいて、その多くを占める中小企業では、コストや作業負荷の観点から、特にScope3の排出量可視化に対する取り組みが進展していない現状があるという。

 NTTデータでは、中小企業の自社の排出量可視化は、サプライチェーンにおける各社のScope3算出の精度向上につながるとして、社会全体における排出量可視化の精度向上と削減に向けた活動を支援するため、C-turtleを中小事業者に対し無償提供するとしている。

 無償提供の対象となる中小企業は、算定対象年度の売り上げが30億円未満であることと、C-Turtle導入企業からの紹介であること(C-Turtle導入企業のサプライヤーであること)またはSHK制度対象企業であることが条件となる。

 NTTデータは、C-Turtleを幅広い規模の企業に提供するとともに、サプライチェーン全体のGHG削減に向けたコンサルティング、ソリューションを拡充していくことで、社会全体のネットゼロ実現に貢献していくとしている。