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NTTデータ、多様なデータを連携させて根拠ある回答文を作成する生成AIサービス「LITRON Generative Assistant」を提供

 株式会社NTTデータは29日、社内規定や業務関連資料、外部の公開データなど多様なデータを生成AIとセキュアに連携させて回答文を作成する「LITRON Generative Assistant」を提供開始した。

 NTTデータは、ChatGPT以前より大規模言語モデルを活用した文書読解AI「LITRON」を市場投入し、継続的な研究開発を進めてきた。その成果として、生成AIに社内データを参照させ、適切に引用しながら回答させるソリューションとなるLITRON Generative Assistantを開発し、提供を開始する。

 また、サービスは、NTTデータが提供するデータ分析基盤「Trusted Data Foundation Analytics Managed service(以下、TDF-AM)」を活用し、顧客のセキュリティ面の不安を解消すると共に、先進技術の導入を早期に実現する。

提供サービスの概要

 サービスでは、LITRONの技術により、生成された回答文に回答根拠となった参照先データを明示する。これにより、AIのハルシネーション(幻覚、もっともらしいうそ)による回答の信頼性低下を抑止する。

 TDF-AMを基盤としたことで、生成AIを利用するためのユーザー認証機能やログ取得などのセキュリティ機能を一括で提供する。機密性の高いデータへのアクセスを制御し、顧客の業務設計から、活用するデータの整備、さらに必要なセキュリティ対策までを一括で支援する。

 システムには、Open AIと生成AIの領域で提携するMicrosoftのAzure OpenAI Serviceを活用。生成AIのシステムを早期に業務適用できる。また、今後の生成AIの進化に合わせて、生成AIモデルの変更もできる。

 NTTデータでは、サービスの社外提供に先駆けて、社内システムとして活用しており、社内で活用したナレッジを顧客に提供し、生成AIを活用するためのコンサルティング業務を推進することで、生成AIの業務適用範囲を拡大し、顧客のビジネス変革を支援する。

 NTTデータは、SnowflakeやTableau、DataRobot、Alteryxなど先進的なITソリューションを顧客に提供しており、今後はLITRON Generative Assistantサービスを始めとする生成AI分野も含めて、コンサルティング・アナリティクス・システム構築・活用支援などのデジタルサクセスを推進することで、顧客のビジネス変革を支援すると説明。2025年度には、LITRON Generative Assistantを含めた関連売り上げで50億円を目指すとしている。

 また、NTTデータは、生成AIの活用をグローバルで推進する「Global Generative AI LAB」を6月に設立。先進技術を活用したビジネス創出を目的とする同社のイノベーションセンタが中心となり、生成AIのソフトウェア開発分野への適用、各国拠点の関連ソリューションの展開やラボ活動、生成AI活用のためのガイドラインの策定について、グローバル全体で取り組むと発表した。

 具体的には、今回のシンサービスのほか、ソースコード自動生成やチャットボット「eva」、文章検索ソリューション「Dolffia」などの生成AI関連ソリューションをグローバルで展開する。ラボ活動では顧客との協創を目的に、各拠点のノウハウ共有、今後登場する新たなAIに対する調査検証、NTT研究所が開発する生成AIモデルを活用する。さらに倫理やセキュリティの観点からガイドラインを策定し、顧客ビジネスで最新のAI技術を安心安全、迅速に活用してもらうことを目指すとしている。