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NTTデータ、AR技術を用いた作業支援サービスを提供 米Scope ARの3Dマニュアル製品を活用

 株式会社NTTデータは28日、米Scope ARの3Dマニュアルソリューション「WorkLink」を活用し、AR(拡張現実)作業支援サービスを提供開始すると発表した。

 WorkLinkは、AR技術によって、作業対象機器に3Dアニメーションによる作業手順を重ね合わせた「3Dマニュアル」を表示できるプラットフォーム。作業箇所や作業内容を直感的に理解可能になることから、非有識者の単独作業時においても作業品質の向上が期待できるという。また、実際に作業対象機器がない場所でも、3Dモデルを活用した臨場感のあるトレーニングを実現可能とした。

 加えて、現場作業者と遠隔地の有識者をリアルタイムでつなぎ、音声と映像、3Dマニュアルを併用することで、現場作業品質の向上も期待できるとのこと。なお、ARアノテーションを用いた、より直感的な作業指示の併用や、作業履歴の記録なども実現できるとしている。

 NTTデータでは2020年10月、Scope ARとのパートナー契約を日本で初めて締結していたが、今回、こうした特徴を持つWorkLinkの販売を本格的に開始するとともに、2つの新サービスを提供する。

 1つ目の「3Dマニュアル作成支援サービス」は、企業が保有する製品マニュアルやメンテナンス手順書をもとに、WorkLink用3Dマニュアルを作成するもの。3D CADデータがなくても、作業対象機器スキャンによる3Dマニュアルへの取り込みや、既存マニュアルでは表現できない3Dアニメーションによる作業手順の追加実装など、3Dマニュアルの高品質化をNTTデータが支援するとした。

 また、NTTデータが提供する文書読解AIソリューション「LITRON」、およびRPAツール「UiPath」との連携により、利用中のマニュアルからテキストデータおよび知識を自動抽出することで、大量の3Dマニュアルを作成する作業時間を、最大で90%削減できたとのこと。

 2つ目は、WorkLinkと他システムを連携させて円滑な現場作業や管理を支援する「インテグレーションサービス」。例えば、ITシステム運用やフィールド作業などで発生する、さまざまな情報・業務の管理プラットフォーム「ServiceNow」と連携させた場合、割り当てられた現場作業のタスクに応じて、WorkLink内の適切な3Dマニュアルを呼び出したり、WorkLinkに記録された作業者や作業に要した時間などのデータをServiceNowに蓄積し、分析まで行ったりできるという。

 NTTデータでは、これらのサービスを製造業やユーティリティ業、流通業など、現場での作業が必要となる分野へ販売し、2024年度末までに100社以上の販売を目指すとしている。